戦場のピアニスト

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劇場公開日:2023年12月1日

戦場のピアニスト

解説・あらすじ

第55回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールの栄冠に輝き、第75回アカデミー賞でも作品賞ほか7部門にノミネートされ、ロマン・ポランスキーの監督賞、エイドリアン・ブロディの主演男優賞など計3部門で受賞を果たした戦争ドラマ。ナチスドイツ侵攻下のポーランドで生きた実在のユダヤ人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの自伝を映画化した。

1939年、ナチスドイツがポーランドに侵攻。ワルシャワの放送局で演奏していたピアニストのシュピルマンは、ユダヤ人としてゲットーに移住させられる。やがて何十万ものユダヤ人が強制収容所送りとなる中、奇跡的に難を逃れたシュピルマンは、必死に身を隠して生き延びることだけを考えていた。しかしある夜、ついにひとりのドイツ人将校に見つかってしまう。

監督のポランスキー自身もパリでポーランド人の両親のもとに生まれ、収容所で母親を亡くし、各地を放浪して生き延びたという体験を持つ。日本では2003年に劇場公開され、第2次世界大戦終結から70年目の2015年にデジタルリマスター版でリバイバル公開。2023年には4K デジタルリマスター版でリバイバル公開。

2002年製作/150分/PG12/フランス・ドイツ・ポーランド・イギリス合作
原題または英題:The Pianist
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2023年12月1日

その他の公開日:2003年2月15日(日本初公開)、2015年8月28日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第60回 ゴールデングローブ賞(2003年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) エイドリアン・ブロディ

第55回 カンヌ国際映画祭(2002年)

受賞

コンペティション部門
パルムドール ロマン・ポランスキー

出品

コンペティション部門
出品作品 ロマン・ポランスキー
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(C)2002 STUDIOCANAL - HERITAGE FILMS - STUDIO BABELSBERG - RUN TEAM Ltd

映画レビュー

4.5 映画的演出の説得力

2020年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

背後から撃たれお辞儀するようにぺたりと倒れ込む女性、地面に顔をこすりつけおかしな角度で体をよじらせ倒れる子供、処刑される順番を為すすべもなく待つ老人…。

この露悪的なまでの死の描写は、ロマン・ポランスキー監督が幼少時代にまさにこうした現場を体験してきたという事実によって、生臭いリアルを帯び始める。

逆に言えば、体験者ポランスキーの介在がなければ、これらは“映画的”な演出と捉えられてしまいかねない。映画という虚構は常にこうしたリスクと隣り合わせにあると言っていい。

そういう意味で、この「戦場のピアニスト」は有無を言わさぬ本物の説得力でコーティングされていて、ある意味高い下駄を履いている。ただ、この映画でポランスキーが見せる露悪的かつ詩的な演出は、体験者のリアルを超えた美しさに満ちている。

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オスカーノユクエ

5.0 ポランスキーの最高傑作と認識する再鑑賞に…

2025年10月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ポランスキー映画と言えば、
30代で演出したシャロン・テートが魅力的
な「吸血鬼」や、
子供心ながらも母性というものを描いている
のではと感じた「ローズマリーの赤ちゃん」
が若かった頃の私の記憶だ。

今回、70歳直前の彼の監督作品の
再度の鑑賞で印象的だったのが、
ドイツ兵の残忍な描写の数々。
そんな中、
主人公のピアノを理解する将校の登場は、
ドイツ軍人への印象のバランスを取るため
でもあったろうが、
芸術は国境や憎悪をも超えるとの
芸術家ならではの見事なメッセージ
ではなかったろうか。

また、ここまでゲットー内の状況を詳細に
描いた映画は記憶がないとのことや、
更には、全編、主人公の潜伏と逃亡、
そして、飢えへの対処のシーンで
ほぼ埋め尽された作品だったことも印象的。
そんな、淡々とした物語を、
最後まで緊迫感を切らさずに描き切った
ポランスキーの演出力に驚かされると共に、
私にとっては再鑑賞で評価をかなり改める
作品の一つとなった。

若くして実力を発揮していた
ポランスキー監督だが、
話題となった70代前後以降の
「ゴーストライター」や
「オフィサー・アンド・スパイ」を
含めても、この映画は、
彼の生涯の中での最高傑作のように感じた。

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KENZO一級建築士事務所

4.5 芸は身を助く

2025年10月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

エイドリアンブロディ扮するポーランドのユダヤ人ピアニスト、ウワディスワフシュピルマンは爆撃中のスタジオでもピアノを弾き続けていた。

観るのは3回目かな。ラストシーンが印象的だったので見直してみた。ドイツ軍が侵攻してくるにあたってポーランドはてんやわんやだな。ユダヤ人は公園にもカフェにも入れず入場規制されてたんだね。さらには塀で遮蔽されたユダヤ人居住区に強制収容されてたんだね。家族関係すらおかしくなり酷いものだ。まさに芸は身を助くだね。

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重

3.5 がれきの中、取り残されたピアノの奏でる音に

2025年8月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

瓦礫と化した戦場にピアノが残されている。
彼は弾かずにいられない。ピアニストの血がうずくのだ。そこにピアノがいれば、触れずにいられないピアニストの性。たとえ敵兵に取り囲まれようとも。
その圧倒的なビジュアルに打ちのめされたようなイメージと、エイドリアン・ブロディの奏でるピアノの旋律。それだけの印象が先行して、お話や、他の俳優の印象なんか一つも残っていない。

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うそつきかもめ