戦場のピアニスト

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劇場公開日:

戦場のピアニスト

解説

第55回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールの栄冠に輝き、第75回アカデミー賞でも作品賞ほか7部門にノミネートされ、ロマン・ポランスキーの監督賞、エイドリアン・ブロディの主演男優賞など計3部門で受賞を果たした戦争ドラマ。ナチスドイツ侵攻下のポーランドで生きた実在のユダヤ人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの自伝を映画化した。

1939年、ナチスドイツがポーランドに侵攻。ワルシャワの放送局で演奏していたピアニストのシュピルマンは、ユダヤ人としてゲットーに移住させられる。やがて何十万ものユダヤ人が強制収容所送りとなる中、奇跡的に難を逃れたシュピルマンは、必死に身を隠して生き延びることだけを考えていた。しかしある夜、ついにひとりのドイツ人将校に見つかってしまう。

監督のポランスキー自身もパリでポーランド人の両親のもとに生まれ、収容所で母親を亡くし、各地を放浪して生き延びたという体験を持つ。日本では2003年に劇場公開され、第2次世界大戦終結から70年目の2015年にデジタルリマスター版でリバイバル公開。2023年には4K デジタルリマスター版でリバイバル公開。

2002年製作/150分/PG12/フランス・ドイツ・ポーランド・イギリス合作
原題または英題:The Pianist
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2023年12月1日

その他の公開日:2003年2月15日(日本初公開)、2015年8月28日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第60回 ゴールデングローブ賞(2003年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) エイドリアン・ブロディ

第55回 カンヌ国際映画祭(2002年)

受賞

コンペティション部門
パルムドール ロマン・ポランスキー

出品

コンペティション部門
出品作品 ロマン・ポランスキー
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映画レビュー

4.5映画的演出の説得力

2020年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

背後から撃たれお辞儀するようにぺたりと倒れ込む女性、地面に顔をこすりつけおかしな角度で体をよじらせ倒れる子供、処刑される順番を為すすべもなく待つ老人…。

この露悪的なまでの死の描写は、ロマン・ポランスキー監督が幼少時代にまさにこうした現場を体験してきたという事実によって、生臭いリアルを帯び始める。

逆に言えば、体験者ポランスキーの介在がなければ、これらは“映画的”な演出と捉えられてしまいかねない。映画という虚構は常にこうしたリスクと隣り合わせにあると言っていい。

そういう意味で、この「戦場のピアニスト」は有無を言わさぬ本物の説得力でコーティングされていて、ある意味高い下駄を履いている。ただ、この映画でポランスキーが見せる露悪的かつ詩的な演出は、体験者のリアルを超えた美しさに満ちている。

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共感した! 19件)
オスカーノユクエ

5.0誰も間違っていたとは言えない…

2025年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

難しい

内容は、ごく普通のユダヤ人迫害の物です
この映画が米国アカデミー賞を受賞するは、やはり米国人がユダヤ人に思いを
はせるからでは、ないかと…
確かに第二次世界大戦のユダヤ人迫害は悲劇ですが、戦時中に不幸で
あったのは彼等だけでは、ありません
日本でも、東京大空襲があったり、広島・長崎に原爆が落とされたりと…
作品中で、ドイツ軍人が悪魔の様な表現をされていますが、ドイツの軍人の全てが、
本当に鬼か悪魔の心を持っていた訳では、ありません
ドイツ人も「自分が、せざるを得ない戦争をしている」との思いがあったのでしょう…
大島渚監督、坂本龍一主演・音楽の「戦場のメリークリスマス」には
こんな台詞がある
「あの当時、皆は正しいと思った事をやった… 無論、正しい者など
何処にもいない…」
現在、これを書いている2025年1月の今、世界で2つの大きな戦争が起きている…
「第3次世界大戦」が、いよいよ現実味を帯びてきている…
世界戦争になれば、確実に「世界核戦争」になる…
「日本被団協」がノーベル平和賞を受賞したが、なぜか受けた日本国内で
「世界から核兵器を無くせ」という主だった動きは見られない。
実際に「第3次世界大戦」が起き「世界核戦争」と体験しないと、その恐怖や愚かさを
理解できない国民ならば、あまりに悲劇だ…
人は何故、戦争を止められないのか?
人類が進化の途中で足踏みをしているから、争いが絶えないとも言われる…
人は「完全に争いの無い楽園」に向かうは、今だ道半ばで、茨の場所を
必死に旅して、前に進む努力をしている最中なのか…?
人は知的生命体としては失敗作で、猿が少し変わった程度の物で
「映画」「マンガ」「ゲーム」などの仮想現実に逃げているのか…?
後者で無いことを祈る………………………………………

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777

5.0今のご時世だからこそ見る価値がある!

2024年10月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

難しい

CSで録画視聴。
文句なし!素晴らしい作品だった。
ナチスドイツのポーランド侵攻からドイツの敗戦までのストーリーで大変な人生だったのかと思いきや案の上大変なシュピルマンの生涯だった。
生きる事は大変だと改めて再認識させられる作品。
エイドリアン・ブロディの演技が素晴らしかった。

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共感した! 1件)
ナベウーロンティー

現在のピアニストは?

2024年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ナチス占領下のポーランドの首都ワルシャワで、ダビデの星の腕章を強制され、私有財産を押収され、市内のゲットーでの居住を強制され、やがて絶滅収容所へという運命に翻弄されたユダヤ人としてギリギリの環境を生き抜いたピアニストと彼を助けた人々をクールなタッチで描いたロマン・ポランスキー監督の作品です。

 ナチスの情け容赦のない暴虐には胸が塞がる思いですが、その銃口に追い詰められて行く彼の運命にギリギリと胃が痛みます。そしてそれだけに、終盤の静かな感動が深く響くのでした。

 でも、映画として強い力を持った作品であるだけに、2024年の1月の今それを観るのは複雑な思いがします。パレスチナの人々はイスラエル・ネタニヤフ政権の圧倒的軍事力によって今日も抹殺されているのです。中東問題は単純に誰が悪いとは割り切れないほど入り組んでいるとはいえ、その事実は変わりません。

 歴史は直線的に進化・向上するのではなく、螺旋を描きながら少しずつ上昇するのだと弁証法は説いている筈ですが、本当に人間は歴史から学び得ているのでしょうか。上昇する事なく同じ所をグルグル回っているだけでないのかと暗然たる思いがするのでした。

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La Strada