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ゲーム(原作)から入っていますが、本作は原作と世界観を共有しつつも、作品として原作を超えるというマイ評価。
圧巻なのは、非日常世界であるサイレントヒルでの日常が、サイレンと共に非日常へと大きく転換していく映像表現・・迫り来る怖さを感情移入できないサイレントヒル住民と当事者感覚で共有してしまう演出力。
【サイレントヒルの世界設定】 現実世界(表)と対置されるサイレントヒル世界(裏)。更にサイレントヒル世界がその中での現実世界(表)と非日常世界(裏)とに分かれているという、二重構造の入れ子。(←この関係が分かるとエピローグでの謎めいたシーンの意味が分かりますが、分からなくても本作は楽しめます。)
【サイレントヒルの世界観】ジャンル的なSFxダークファンタジーという世界観、或いは雰囲気が醸し出す世界観といった捉え方でもいいと思いますが、突っ込んでいくと文化的背景としての「キリスト教的世界観」は、作品理解を深める上での重要な要素だと思います。
例えば、設定として神を想定した時の、神と裏ヒロインであるアレッサの関係。
【問】アレッサの復讐を神は許すのか? 更に復讐を全うすべく悪魔と契約したアレッサを神は赦すのか? 或いは逆に、許しを請えば復讐は赦されるのか、赦されるとしてどこまで赦されるのか? 或いは、そもそも神は関知しているのかいないのか?
【答】本作では神は関知しない形でアレッサの復讐を赦しますが、同時にアレッサには世界の暗黙のルール(摂理)という形で、願望の実現に対して代償が課せられます。
・・・
【補足1)】
・ ファンタジー設定では悪魔はよく契約に代償を求めますが、歴史的・文化的にリアルな設定として、ヒトは神と既に契約を結んでいるわけです。(←再認識を要する、文化的差異の箇所)
【補足2)】
・ 「果てしなきスカーレット」で《復讐と赦し》、「まどか⭐︎マギカ」で《願望と代償》がテーマ的に取り上げられていますが、キリスト教の教理が整備・確立された時代の「神曲」をモチーフとしている以上、きちんと練られた作品であれば、テーマへの言及や参照は避けらないところです。
・ 本作はホラー系エンターテイメントとして十分な出来を示していますが、「果てスカ」や「まどマギ」をテーマ的に10〜20年先取りしています。