トラフィック(2000)

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

スティーブン・ソダーバーグ監督がアメリカ社会に蔓延する麻薬問題を題材に撮りあげた群像サスペンス。マイケル・ダグラス、ベニチオ・デル・トロ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズらが共演し、アメリカとメキシコを股にかける巨大麻薬コネクションと麻薬取締局の戦いを、3つの物語を同時進行させながら描き出す。メキシコ最北端の街ティファナの警察官ロドリゲスと相棒サンチェスは、犯罪取締官サラザール将軍に命じられ、麻薬カルテルの一員フロレスを逮捕する。オハイオ州の判事ウェークフィールドは麻薬取締の最高責任者に任命されるが、彼の娘キャロラインは麻薬中毒に陥っていた。サンディエゴでは麻薬王アヤラが逮捕され、妻ヘレーナは初めて夫の正体を知る。2001年・第73回アカデミー賞で監督賞、脚色賞、助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)、編集賞を受賞した。

2000年製作/148分/アメリカ
原題または英題:Traffic
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:2001年4月28日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第58回 ゴールデングローブ賞(2001年)

受賞

最優秀助演男優賞 ベニチオ・デル・トロ
最優秀脚本賞 スティーブン・ギャガン

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀助演女優賞 キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
最優秀監督賞 スティーブン・ソダーバーグ
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映画レビュー

3.5深刻さ、根深さ、報い

2024年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

知的

 メキシコの警察官ロドリゲスとサンチェスは、サラザール将軍から麻薬組織のフロレス逮捕を命じられる。アメリカオハイオ州のウェークフィールド判事は麻薬対策の連邦最高責任者に任命されるが、娘が麻薬中毒に陥ってしまう。サンディエゴの裕福な家庭のヘレーナの夫が突然逮捕され、彼女は初めて夫の正体を知り。
 タイトルにインパクトがないのが残念、しかし重厚で見ごたえのある作品でした。麻薬問題の深刻さ、根深さ、報いを痛感します。ヘレーナの転身は理解できないけど、実際にそういう事件もあったのだろう、と思われます。それぞれの地域の場面を、フィルターを変えて描いているのが分かりやすくてよかった。
 「敗戦を知らない孤島の日本兵」というセリフがあります。横井さん小野田さんの事例が、アメリカで皆が知っている常識なのかと思われます。

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sironabe

4.02度目の鑑賞

2024年10月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

久しぶりに鑑賞しましたが、今なを色あせない素晴らしい作品。
ドラック世界の闇深さは、恐ろしさ愚かさを素晴らしい編集で表現しています。
ラストのシーンで更に感慨深くなります。

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asakam38

4.0Ballpark Dream

2024年9月30日
PCから投稿

三つの地点で麻薬に関係する高官、捜査員、容疑者、黒幕、その家族たちのそれぞれのドラマが交錯するし、セリフも唐突で繋がりを無視しているので、よほど頭が切れる人でない限り話はわかりません。

要するに麻薬シンジケートを追い詰めてゆく話ですが、ストーリーを追うものではなく、わからないことは承知の上で、手持ちカメラや中抜きショット、ブツ切れのセリフと粒子の粗い画面を多用したドキュメンタリー風の「ヤバイ雰囲気」を感じさえすればいい作品です。
トラフィックとは取引の意味ですが、DealやTradeと違って「ヤバイ取引」を意味するとのことだそうですから。

公開時以来24年ぶりですが、最も印象に残るラストシーンでした。

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越後屋

4.0【”麻薬戦争”墨西哥で麻薬輸出により地位を成す者及びそれを取り締まる刑事、密輸の首謀者の夫と子を守るために行動を起こす妻、米国で密輸を防ぐ最高地位にある娘が麻薬に溺れた男の姿を同時進行で描いた作品。】

2024年2月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 冒頭から、多数の麻薬に関わる登場人物が登場するために、脳内フル回転で観た映画である。-

■麻薬カルテルの一味であるフロレスが逮捕されると、犯罪取締官サラサール将軍は彼を拷問にかけて、麻薬組織オブレゴン・カルテルの居場所を吐かせる。
 そんななか、夫、カールが麻薬組織に絡んで多額の金を得ていたことを知った妻へレーナ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は、贅沢な生活を捨て切れず、自ら墨西哥に出掛け夫を密告した男を殺す様に、ある行動に出る。
 一方、麻薬撲滅担当になったロバート(マイケル・ダグラス)と、名門校に通う娘キャロラインが麻薬中毒になる過程が、同時間軸で描かれる。

◆感想

・ハッキリ言って、スティーヴン・ソダーバーグ監督作品名だけあって、ナカナカに複雑な群像劇である。

・そんな中で、光を放っているのは、メキシコで麻薬捜査に当たるハビエル・ロドリゲスを演じるベネチオ・デル・トロである。
ー 「ボーダーライン」のイメージがあるからかもしれないが、彼が墨西哥の麻薬王、犯罪取締官でありながら実は麻薬王のサラサール将軍の配下にさせられながらも、彼が言った言葉。
  ”野球場にライトを付けてくれ。皆野球が好きだろう。麻薬に手を出さすに野球を楽しめば、麻薬は少しは減る筈だ。ー

・キャサリン・ゼタ=ジョーンズ演じるへレーナは、富のある生活を捨てられずに、愚かしき行動に出るし、マイケル・ダグラス演じるロバートも、”自分の娘が麻薬中毒になっている事も知らない所が、シニカルである。

<ラストシーンが良い。
 煌々と光が灯る野球場で、大勢の子供達と楽し気に野球を見るハビエル・ロドリゲスの姿。
 今作は、アメリカで麻薬が広まっているのは墨西哥だけの責任ではなく、アメリカ自身の問題である事をスティーヴン・ソダーバーグ監督が、強烈に伝えた作品なのである。>

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NOBU