スターリングラード

劇場公開日:

解説

1942年9月。1カ月にわたり、ナチス・ドイツの猛攻にさらされてきたスターリングラードに、新兵として赴任してきたバシリ・ザイツェフ。彼はウラルの羊飼いの家に育ち、祖父に射撃を仕込まれた天才スナイパーだった。やがて彼の射撃の腕はソビエト軍の志気を高めるために利用され、バシリは英雄へとまつりあげられていった。

2001年製作/132分/アメリカ・ドイツ・イギリス・アイルランド合作
原題または英題:Enemy at the Gates
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:2001年4月14日

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映画レビュー

4.5史上最大の市街戦スターリングラード攻防戦を背景に展開する心理サスペンス。

2024年11月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

午前十時の映画祭14にて。

この映画はロシアでも公開されたらしいが、当然ながら実際にスターリングラードの戦闘に参加した元軍人らは事実を歪曲していると非難したようだ。
ソ連赤軍司令部が狙撃兵ヴァシリ・ザイツェフを英雄に祭り上げることで戦意高揚を図ったというあたりが非難の的だと思うが、実際、ドイツ軍がザイツェフ対策に狙撃手エルヴィン・ケーニッヒを送り込んだというのは、ザイツェフをより際立たせるためのソ連側の捏造だったという説が有力なのた。
逃げようとする自国の市民にソ連の軍人が銃を向ける場面もあり、そのあたりも否定したい部分だったかもしれない。

史上最大の市街戦と言われたスターリングラード攻防戦。再現されたその風景は、廃墟と化したソ連有数の工業都市に累々と死体が折り重なって、文字通りの地獄絵図だ。
この密集する建築物の廃墟が物陰から狙撃する作戦に適していて、狙撃手たちの活躍が当初有利だった枢機軍を撤退させるに至った勝因の一つとされている。

この映画は序盤からザイツェフ(ジュード・ロウ)、ダニロフ(ジョセフ・ファインズ)と、ターニャ(レイチェル・ワイズ)の三角関係の匂いが漂っていて、ドイツ軍の狙撃手ケーニッヒ(エド・ハリス)が登場すると、狙撃手どうしが裏を読み合う心理戦に重なって、男女の三角関係も顕になっていく。

ジョセフ・ファインズが、友情と嫉妬に苦しみ、やがて盟友を貶めようとするソ連赤軍の政治将校を演じて、哀愁がある。
ターニャに想いが届かないと知ったダニロフは、友への逆恨みが愛国心をも揺るがし、イデオロギーへの疑問まで抱くに至る。だが、彼の最後の決断は衝撃的で、哀れだ。

ジュード・ロウは狙撃の天才を孤高のたたずまいで寡黙に演じている。敵が残したタバコの吸い殻から敵を想像するシーンなど、セリフのないシーンに説得力がある。

ロードショー鑑賞時のこの映画の一番の印象は、恥ずかしながらラブシーンでのレイチェル・ワイズの〝ヒップ〟だった。20数年ぶりに観た今、やはりレイチェル・ワイズが魅力的だ。
ソ連には女性兵士がいたのだろうかと当初は不思議に思っていたが、日本の女性も本土に敵が上陸したら竹槍で対抗するという訓練を受けていたくらいだから、もし義勇軍があったなら、そこに女性兵士がいたのだろう。

そして、エド・ハリスである。ザイツェフをギリギリまで追い込むドイツ軍屈指の狙撃手ケーニッヒは、冷静かつ冷徹で屈強な男。エド・ハリス以外に誰が演じられたかと思うほどだ。軍人役が似合う俳優だ。

それにしても、狙撃手の集中力、洞察力、忍耐力はどれほどのものか…。
お互い、敵がミスを犯すのをひたすら待つ。そして一瞬のごくわずかなチャンスを見逃さず、射つ。この持久戦のジリジリ、ヒリヒリとした緊張感に息を呑む。
フィクションだが、鏡を使った攻防のシークェンスは秀逸だ。
そして、最前線から一歩下がった場所でザイツェフとターニャを監視するダニロフの視線も緊張感を高めていく。
これらはまさしく一級の心理サスペンスだ。
そして同時に、この映画は極限の環境における熱烈なラブストーリーでもあった。

余談だが…
ターニャという女性も実在したようだが、ザイツェフの妻は別の女性である。

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kazz

3.5英雄への羨望の光と影

2024年10月19日
iPhoneアプリから投稿

午前十時の映画祭にて鑑賞。
スナイパーならではの腹の探り合いや、一撃に込める緊張感がある。戦争映画としては迫力はやや薄いが、冒頭の上陸と終盤の撤退は戦争の悲惨さが映し出されている。
スナイパー同士の決着はあれでいいのか。

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ななな

5.0映画史に残る美しくも哀しいラブシーン

2024年10月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

若きジュード・ロウとレイチェル・ワイズ。
明日をも知れぬ戦禍の中でのラブシーンが哀しくも美しい、そしてエロい。映画史に残る名シーンだと思う。

最初の貨物列車からいきなり戦場へ放り込まれる兵士たち、延々と続く最前線での戦闘に言葉を失う。息を呑む。
そしてやってくるバシリがスナイパーとして見出される狙撃シーン。なんというカタルシス。

最後はメロドラマみたいな終わり方だったけど、映画だからあれでよい。
現実にはまだ戦争しているから、せめて映画の中では、主人公に幸せになってほしい。涙腺の緩んだおじさんは泣いてしまった。
(公開時に観ているはずなのに、ラストシーン覚えてなかった。あの生々しいラブシーンは鮮明に覚えていたのに)

ありがとう午前十時の映画祭。
(上映開始が9時15分になってた。渋滞する時間だから十時に戻してほしいなぁ)

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大吉

スケベシーン・オールタイムベスト10

2024年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 公開時にはそれほど話題にならなかったと思うのですが、僕の大好きな戦争映画です。

 ナチスドイツとソ連のスターリングラードを巡る攻防戦を背景に、両国の傑出したスナイパー同士のプライドを掛けた戦い、戦火の下にあっても静かに燃える男女の愛を緊張感タップリに描いた物語です。

 ソ連スナイパーのジュード・ロー、ドイツスナイパーのエド・ハリスによる息詰まる知略合戦にヒリヒリするのですが、何といってもジュード・ローが色っぽい。海外では女性にモテモテで女たらしとして知られているのも理解出来ます。男の僕でも「こりゃあ、女性は放っておかないだろうな」と思います。

 そして、これは大きな声では言えないのですが、本作唯一のスケベ・シーンは、僕の「スケベシーン・オールタイム・ベスト10」の一つにランクインするほどの生唾ゴックンなのでした。

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La Strada

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