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♪クーリスーマスが今年もやーってくるー♪
そんな気分になる、少し早めのアドベント映画。全米公開は15日で、何故か一足先に日本で公開された。
あなたは子どもの頃、サンタクロースを信じてましたか?
ひとりのおっさんが一晩で全世界にプレゼントを配れるわけないじゃん。そんなリアリストだった ”元” 子どもたちに、この映画はなんと「サンタがどうやって一晩で全世界にプレゼントを配っているか」をきちんと見せてくれる。夢がある!
ちなみに私は小学校低学年までサンタを信じていたところ、その是非を巡ってクラスメイトと喧嘩になり、帰宅して親に確認したら悲しいカミングアウトを聞かされたという苦い思い出がある。
物語は準主役の凄腕ハッカー、ジャックの子ども時代から始まる。サンタを信じる友人たちに、親が納戸に隠したプレゼントを見せつけるジャック。かわいげないっすね。
彼は成長し、道徳的にいろいろどうなんだ?という感じのハッカーになり、闇バイト的にハッキングの仕事を請け負う。そして、どういうからくりかよくわからなかったが、サンタの居場所を発見してしまう。ユルい感じだけど、そこがいい。
ショッピングモールでの握手会(?)で子供と触れ合うなど、現代社会で活動するサンタのニック。そういうお仕事の人かと思いきや、彼は本物のサンタクロースだった。
彼に敵対するクリスマスの魔女・グリラは元カレのサンタ弟・クランプスと組んで、悪い子リストに載った子どもたちを全員スノードームに閉じ込めようと企む。全世界にスノードームをばら撒くには、ニックの能力とトナカイのソリが必要ということで彼らはニックを誘拐する。ニック探しに奔走する護衛のカラム。
ゾーイとのディールからカラムの捜索に連れ回されるジャックだが、信じていなかったマジカルワールドを目の当たりにし、真剣にニックを守ろうとするカラムと行動を共にするうちに少しずつ言動が変わってゆく。人を信じるなと息子に教え込むほど人間不信だった彼が、やがて闘うカラムを助け、息子や自分の素直な心と向き合うことで、スノードームの呪縛に打ち勝つ展開は王道。
終盤、ニックの目に映るジャックが子供の姿で息子と話している場面は想定外にジーンときてしまった。大人は子どもの夢を守ってあげる立場だけど、大人もみんな心のどこかに、子どもの頃のままの純粋な気持ちが残っている。
サンタクロースは子どもだけでなく、素直な気持ちを持ち続ける大人にも夢と愛情をくれる存在なのだと思えた。
ジャックにハッキングを依頼したテッドを見つけたくだりはちょっとかったるくて、別にテッドなしでグリラ一味が匿名でハッキング依頼したってことでいいじゃんと思わなくもなかった。テッドもあんまりキャラ立ちしてなかったし。ナイスバディお姉さんがたくさんいたのと、ちっちゃくなったドウェイン・ジョンソンやアナ雪オラフの親戚かと見紛う(嘘です)マッチョスノーマンを見られたのはよかったが。
キャラ立ちといえば、白熊にももうちょっと活躍してほしかった。
クライマックスで一瞬出てくるルーシー・リューのアクション! 1秒くらいしか見えなかったんですけど! もっと見たかった、もったいない。
そんなツッコミどころはあるものの、お子様から大人まで安心して気負わず見られて、クリスマスソング満載でイブまでのひとときを盛り上げてくれる、明るく楽しい雰囲気映画。細かい辻褄や人物描写の深みどうこうをこの手の作品に求めるのは筋違いというもの。
余談
① クランプスというのは、聖ニクラウスに同行する存在としてヨーロッパ中部に伝わる伝説の生物の名前だそうだ。アルペン地方では12月5日(聖ニクラウスの日の前夜)に、地域の若者がクランプスの扮装をして子どもを怖がらせながら表を練り歩き、親の言うことを聞くように、勉強するようにと諭すという。なまはげ的な風習だ。
② 赤い衣装のサンタクロースに加えて白熊キャラ(CGよくできてる)まで出てくるといよいよコカ・コーラ感が強いが(サンタの衣装が赤で定着したのはコカ・コーラの宣伝による。1920年代からポーラーベアを広告起用)……たまたまかな、多分……。
③ 最後に。サンタクロースは実在します。カナダに手紙を出したら返事をくれます。手紙を出すのが面倒という方、フィンランドのサンタは、2,200円払えば手紙をくれます。