マッドマックス　フュリオサ　ブラック＆クロームエディション

配信スタートと同時に早速鑑賞。 始まった途端に、いわゆる“緑の地”の緑色と、幼いフュリオサがもぎ取る果物の色が目に飛び込んできて、単なるモノクロ版ではないことを強く印象づけられる。要するに、部分的に色をつける「パートカラー」と呼ばれる手法を使っており、他にも意図的に色が付けられた部分がいくつもある。 それだけではない。モノクロの映画というものは、基本的に全編に渡って同じ色味になっていることが普通だが、今作では昼間のシーンと夜のシーンは明らかに色味を変えており、一目でその違いがわかるぐらいの差がつけられている。これ以外にも、おそらくは数えきれないぐらいの調整（明暗の加減 等々）が加えられているだろう。実に美しい印影の映像を生み出している。 前作のモノクロ版もとても良かったが、今作はそれを軽く飛び越えてきた感じだ。色彩を抑えたことでドラマと登場人物のエモーションがより強く迫ってくるのは然る事ながら、効果的に色づけられた部分や色味の変化が、単なるモノクロ版とは異なるリズムと抑揚を生んでいる。全く素晴らしい。 最後に…フュリオサの印象的な眼差しは、モノクロになってもなお、強く輝いていた。