国宝

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劇場公開日:2025年6月6日

解説・あらすじ

李相日監督が「悪人」「怒り」に続いて吉田修一の小説を映画化。任侠の家に生まれながら、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男の激動の人生を描いた人間ドラマ。

任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、天涯孤独となってしまう。喜久雄の天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎は彼を引き取り、喜久雄は思いがけず歌舞伎の世界へ飛び込むことに。喜久雄は半二郎の跡取り息子・俊介と兄弟のように育てられ、親友として、ライバルとして互いに高めあい、芸に青春を捧げていく。そんなある日、事故で入院した半二郎が自身の代役に俊介ではなく喜久雄を指名したことから、2人の運命は大きく揺るがされる。

主人公・喜久雄を吉沢亮、喜久雄の生涯のライバルとなる俊介を横浜流星、喜久雄を引き取る歌舞伎役者・半二郎を渡辺謙、半二郎の妻・幸子を寺島しのぶ、喜久雄の恋人・春江を高畑充希が演じた。脚本を「サマー・ウォーズ」の奥寺佐渡子、撮影をカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「アデル、ブルーは熱い色」を手がけたソフィアン・エル・ファニ、美術を「キル・ビル」の種田陽平が担当した。2025年・第78回カンヌ国際映画祭の監督週間部門出品。

2025年製作/175分/PG12/日本
配給:東宝
劇場公開日:2025年6月6日

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(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

映画レビュー

4.0 青、白、血色

2025年9月27日
Androidアプリから投稿

『青 chong』で鮮烈な長編デビューを果たした李相日監督の最新作。吉沢亮や横浜流星などの役者陣の演技は素晴らしく、歌舞伎の世界を舞台にした本作はスペクタクルに富んで素晴らしい。
まさに『さらば、我が愛 覇王別姫』を彷彿とさせる喜久雄と俊介/半弥の波乱万丈な人生。役者とは、栄光と引き換えに色んな代償を背負う「美しい化け物」にならざるを得なく、舞台に人生を差し出すことは自分にはできないと思った。そういった意味でも、役者とは誰もができる職業ではないことを痛感させられる。

以下、ネタバレを含みます。

本作は上方歌舞伎の名門である花井家の「血」が主題であるが、その対抗となるものは「白」である。ファーストカットが、喜久雄の肌に白塗りが施されることであったように、「白」とは芸の表象であり、「血」を隠すことができるものだ。

喜久雄はヤクザの一族という血筋を隠して、芸の道に勤しむことができる。芸で観客を魅了させれば、生まれも何も関係ない。そう信じ、実際に喜久雄は半弥を差し置いて、半二郎の代役を掴み、最後には「花井半二郎」を襲名されるに至る。しかし悲しいかな、喜久雄は半二郎の本当の息子ではないから、舞台にも立てず没落していくのは、不条理でありつつ血縁の重みを強く感じてしまう。

喜久雄と半弥はいつも表舞台で輝き続けたわけではなく、人生において酸いも甘いも嚙み分ける。喜久雄は歌舞伎での成功のために「悪魔と契約し」、幼馴染の春江と別れ、舞妓の藤駒を内縁の妻とし、実の娘を見ないように。かといって、半弥は喜久雄に「半二郎」を取られ、春江を奪い、アンダーグラウンド舞台で生きざるを得ないように。半弥が再び歌舞伎の舞台に返り咲くと同時に、今度は喜久雄が破門にされ、彰子―森七菜と共に地方巡業する様は、底まで落ちたように思えるが、彼らは栄枯盛衰いろいろに人生を歩んでいく。

二人が「半半コンビ」として同じ舞台に立つのは、彼らの辛苦を思えばとても感動だが、それも長くは続かず。半弥は「血」の断絶かのように糖尿病のため左足を切断することになってしまう。

最後に二人が「曾根崎心中」を演じる時、白塗りの顔は涙に濡れて、彼らの〈本当の顔〉が現われている。泣いているのは喜久雄と半弥なのか、徳兵衛とお初なのかは分からない。いや人生の悲喜こもごもを味わった生身の人間の涙が、〈役〉の涙になったということだろう。それは役者が役に飲み込まれたということかもしれない。

でも「きれい」だと思う。

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まぬままおま

5.0 この歌舞伎映像こそ、国の宝として欲しい

2025年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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猿田猿太郎

4.5 日本だからこそ出来た表現

2025年7月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

驚く

斬新

予告や前評判から興味が沸いたので、7月の3連休に観てきました。

歌舞伎役者を続ける大変さが濃厚に描かれている物語に驚きました。上映時間が3時間近くあるにも関わらず、全く眠くならずに最後まで夢中になれました。

主人公の喜久雄は歌舞伎に人生を捧げますが、厳しい修行が毎日続いて自由が制限されるストレスフルな環境から「やっぱり役者の現実は厳しいな……」と痛感しました。

一緒に行った母の話によると、歌舞伎とご縁のある家系に生まれると、幼少期からずっと稽古を続けなくてはならないとのことで、俊介の描写ではそれが強く表れていました。

舞台のシーンも圧巻の一言で、役者の繊細な演技と古典的な演奏は、歌舞伎の歴史が深い日本だからこそ出来た表現のように感じました。

最近観た邦画では間違いなく上位に入るレベルで素晴らしかったです。大ヒットに納得がいく出来栄えで、映画館で観れて本当によかったです。

それと、いつかは実際の歌舞伎も見に行きたいと思うようになりました。

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Ken@

4.0 ポップコーンを食べるのに、とんでもない緊張を強いられる映画

2025年7月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

幸せ

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momokichi