かくしごと

劇場公開日:

かくしごと

解説

長編デビュー作「生きてるだけで、愛。」で注目を集めた映像クリエイターの関根光才が杏を主演に迎え、作家・北國浩二の小説「嘘」を映画化したヒューマンミステリー。

絵本作家の千紗子は、長年にわたって絶縁状態となっていた父・孝蔵が認知症を発症したため、仕方なく故郷へ戻って介護をすることに。他人のような父との同居に辟易する日々を過ごしていたある日、彼女は事故で記憶を失った少年を助ける。その少年の身体に虐待の痕跡を見つけた千紗子は少年を守るため、自分が母だと嘘をついて一緒に暮らし始める。認知症が進む父と3人で、最初はぎこちないながらも次第に心を通わせ、新しい家族のかたちを育んでいく千紗子たちだったが……。

千紗子の父・孝蔵を奥田瑛二、少年を中須翔真が演じ、安藤政信、佐津川愛美、酒向芳が共演。

2024年製作/128分/G/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2024年6月7日

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(C)2024「かくしごと」製作委員会

映画レビュー

3.5不可思議なタッチで再構築されていく関係性

2024年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

杏という女優には、非常に真っ直ぐな目線と、間違ったことにNOを突きつけるイメージが付随する。本作の監督はその部分を巧妙に活かしながら、主人公を危うい倫理観と母性の隙間へといざなっているかのようだ。日常世界に根を下ろしつつ、ラビットホールに陥っていく不可思議な展開がそこにある。彼女がつく嘘(かくしごと)にはちょっとにわかには信じがたいこと、そんなのバレるだろう、と思えるその場しのぎの嘘がいくつも見受けられるので、序盤は観ている側にとっても不安定な感じが付きまとうし、故郷帰りの新生活にもなかなか心の落ち着く場所が見出せない。しかしそんな空気が徐々に変わる。川を渡す一本綱の上を歩いているような感覚を覚える中、彼女のみならず、認知症の進む父親、血の繋がりのない訳あり少年との間で、嘘が真実を超えるというか、擬似家族的な風が吹き始めるところに見応えがある。特にラストシーンはハッとさせられる仕上がりだ。

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牛津厚信

4.0ラストでストンと腑に落ちる・・・これで良かったんだ、と。

2024年11月3日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
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琥珀糖

1.0物語としては底が浅いというのか…。

2024年8月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

本作で描かれている「かくしごと」といえば…。
久枝の飲酒運転のこと、
洋一が親から受けていた児童虐待のこと、
千紗子が、海で亡くなったわが子の代わりにするため、洋一の出自を隠そうとしたこと…など、など。

世にありがちな「かくしごと」がいっぱい出ては来るのですけれども。
そのどれが、本作のレイシオ・デシデンタイ(訴えかけとしていちばん重要なもの)なのか、評論子には判然とせず、それ故に、映画作品としての訴求力にかけたように思われて、なりません。

本作の中で、やや大ぶりの「かくしごと」は、久江の事故を内密にしたことくらいでしょうか。
(しかし、飲酒運転根絶の啓発映画にしては、プロットを物語の最初に持ってきすぎ。)

おそらくは、本作としては、千紗子が海の事故で亡くした自分の子供の代わりに、友人が飲酒運転ではねた子供が、折よく記憶喪失らしいこと(また、不本意ながら面倒を看ている実父の孝蔵が認知症になっていること)を上手に利用して、自分の子供として丸め込んでしまおうということなのだとは思いますけれども。
しかし、それは、言ってしまえばあまりに「安直に過ぎ」て、評論子には、何とも評のしようがありません。

ミニシアターでの上映なので「質は保証済み」のアテで鑑賞した一本でしたけれども。
あに図らずや、評論子には、少しく残念な一本になってしまいました。
良作としての評価も難しかったと思います。評論子的には。

(追記)
オリジナル脚本ということではなく、原作がある作品なので、あまり大胆なデフォルメもできないのでしょうけれども。

それでも、どうせ「かくしごと」にするなら、最後の最後には、孝蔵が認知症を患ってしまっていることを上手に利用して切り抜ける―それが本作の最大の「かくしごと」になるのかと期待して展開を見守りました。

計画どおりにコトが運べば、千紗子にとっては邪魔者の洋一のまま父(?)をうまいこと片付けて、それでいて「実行犯」の父親・孝蔵は、認知症の故、心神喪失で刑務所送りは免れる―。

しかし、結果としては、さにもあらず。
頼みの孝蔵は、魔切りを構えて勇猛果敢に突進するも、DV男に一蹴されて、「試合終了」。

実行犯だから仕方がないとして、刑事責任能力に何の問題もない千紗子と洋一が罪を被るのであれば、そこには何の「かくしごと」もないことになってしまいます(洋一は、触法少年として少年法の規定に基づいて少年院送致?)。

もう少し、脚本を工夫するなどして、「親子でないもの」が「かくしごと」を媒介として「親子になってゆく」ということを描けなかったのでしょうか。
本当に、惜しまれます。

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talkie

4.5評価されるべき作品

2024年7月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

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邦画野郎