ついに“無冠の帝王”脱却か?名撮影監督R・ディーキンス、オスカー14度目の挑戦
2018年2月19日 20:00

[映画.com ニュース] SFドラマ「ブレードランナー 2049」の撮影監督ロジャー・ディーキンスが、第90回アカデミー賞で撮影賞に14度目のノミネートを果たした。ハリウッドきっての名匠でありながら、アカデミー賞ではいつも受賞を逃してきた“無冠の帝王”のディーキンス。初ノミネートから23年、今回こそ栄光に輝けるのだろうか。
「ブレードランナー 2049」は、リドリー・スコット監督の「ブレードランナー」(82)の続編。オリジナル版の30年後、2049年を舞台に、人造人間“レプリカント”のある秘密を追う、レプリカント専門の捜査官“ブレードランナー”の姿を描いた。陰影の美しい画で定評のあるディーキンスは、洗練された色彩と構図で、荒廃した近未来の世界にリアルな質感をもたらした。
英国出身でドキュメンタリー作品からキャリアをスタートさせたディーキンスは、コーエン兄弟やサム・メンデスら名監督たちからの信頼が厚く、本作のドゥニ・ビルヌーブ監督とは3度目のタッグを組んだ。アカデミー賞では、「ショーシャンクの空に」(94)での初ノミネートを皮切りに、07年には「ノーカントリー」と「ジェシー・ジェームズの暗殺」でダブルノミネート。近年では、「007 スカイフォール」(12)、「プリズナーズ」(13)、「不屈の男 アンブロークン」(14)、「ボーダーライン」(15)と毎年のように候補に挙がりながら、いまだオスカーに手が届かない。今回で14ノミネート目、存命の撮影監督としては最多記録だ。
ディーキンス同様にオスカー連敗記録を更新中の存命の人物には、14ミネートで並ぶ作曲家のトーマス・ニューマン(「WALL-E」「007 スカイフォール」)と、最多16ノミネートを誇る録音のグレッグ・P・ラッセル(「トランスフォーマー」シリーズ)がいる。2人とも今年はノミネートを逃した。ちなみに、昨年は「ハクソー・リッジ」の録音ケビン・オコネルが21ノミネート目にして念願の初受賞を果たした。
今回ディーキンスの前に立ちはだかるのはこの4人。「ダンケルク」でIMAXカメラを駆使して陸海空の戦いに観客を放り込んだホイテ・バン・ホイテマに、「シェイプ・オブ・ウォーター」でタイトルどおり流麗なカメラワークを披露したダン・ローストセン。「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」で迫りくるナチスドイツの脅威が暗雲のように立ち込める1940年のロンドンの空気をつくりあげたブリュノ・デルボネル、そしてアカデミー史上初の撮影賞女性ノミニーとなった「マッドバウンド 哀しき友情」のレイチェル・モリソンだ。
今年のディーキンスは、米撮影監督組合(ASC)賞や、英国アカデミー賞をはじめ、全米各地の映画批評家賞の撮影賞をほぼ総なめにしている。この勢いのまま、14ノミネート目にして、念願のオスカー初受賞となるか。注目の第90回アカデミー賞授賞式は3月4日(現地時間)に米ハリウッドのドルビー・シアターで開催。日本では、3月5日午前8時30分からWOWOWで生中継される。
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