ロジャー・ディーキンス
ハリウッドを代表する撮影監督。英デボン州トーキー出身。女優兼アマチュアの画家だった母親の影響で絵画を始め、グラフィックデザインの勉強をしていた頃、写真に目覚める。ナショナル・フィルム・スクール(現:ナショナル・フィルム・アンド・テレビジョン・スクール)で撮影技術を身に付け、卒業後まもなくドキュメンタリー作品にカメラマンとして携わる。1980年代前半から英国映画の撮影監督を務め、90年の「愛と野望のナイル」で米国に進出し、翌91年の「バートン・フィンク」以降ほぼすべてのコーエン兄弟作品で撮影を手がける。92年に拠点を米国に移し、「ショーシャンクの空に」(94)でアカデミー撮影賞に初ノミネートされ、07年には「ノーカントリー」と「ジェシー・ジェームズの暗殺」でダブルノミネート。「ブレードランナー2049」(17)で14度目のノミネートにして初受賞を果たし、全編ワンカット撮影に挑戦した「1917 命をかけた伝令」(19)で2度目のオスカーに輝いた。その他の代表作に「バーバー」(01)、「007 スカイフォール」(12)などがある。バランスのとれた構図や陰影の美しさが持ち味で、「ウォーリー」(08)や「ヒックとドラゴン」(10)といったアニメ映画のビジュアル・コンサルタントも務めた。