ロイ・アンダーソン
スウェーデン出身。1969年、スウェーデン映画協会を卒業するとともに長編監督デビュー作「スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー」を発表し、第20回ベルリン国際映画祭で絶賛される。しかしこの成功の後に鬱病に苦しみ、興行成績の伸び悩んだ第2作「Giliap」(75)の後は映画制作を25年間休止。代わりに広告映像の仕事に打ちこみ、カンヌの国際広告祭で8度のグランプリに輝いてCF界の巨匠として知られる。ある惑星で起こるブラックでシュールな出来事をアナログ感満載に描いた復帰作「散歩する惑星」(00)でカンヌ国際映画祭の審査員特別賞を受賞。同作と「愛おしき隣人」(07)、「さよなら、人類」(14)を「リビング・トリロジー」3部作として撮り上げ、「さよなら、人類」はベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞した。人間の悲喜劇を圧倒的映像美で描いた「ホモ・サピエンスの涙」(19)は同映画祭の銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞している。