菅井きん
文部省(現:文部科学省)や東京帝国大学(現:東京大学)の職員を経て、1946年に東京芸術劇場の研究生となり、翌47年に女優として初舞台を踏む。51年の「風にそよぐ葦」で映画に初出演して以降、黒澤明監督の「生きる」(52)、成瀬巳喜男監督の「秋立ちぬ」(60)、木下惠介監督の「父」(88)など名監督たちの作品に多数出演。伊丹十三監督の「お葬式」(84)では、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した。73年放送開始のTVドラマ「必殺」シリーズ(~09)では、主人公の姑役を演じ「婿殿!」のセリフでおなじみとなり、その他にも「太陽にほえろ!」(73~85)や「家なき子」(94)でも存在感を放った。名脇役として活躍を続ける中、「ぼくのおばあちゃん」(08)では82歳で映画初主演を務め、世界最高齢映画主演女優としてギネス世界記録に認定された。90年紫綬褒章、96年勲四等宝冠章を受章。10年に大たい骨を骨折し、NHK大河ドラマ「龍馬伝」(10)が事実上の引退作となった。18年8月、心不全のため92歳で死去。