ジャック・カーディフ
英国出身。ミュージックホールの座付き役者だった両親のもと、大衆芸能が身近な環境で育つ。4歳のとき両親の出演する映画に参加し、サイレント映画「Billy's Rose」(22)にも両親と出演。そんな中で舞台の照明や美術に興味を持ち、撮影助手としてフレディ・ヤングの撮影チームに参加、アルフレッド・ヒッチコック監督作「スキン・ゲーム」(31)などの現場に入る。
1936年から撮影オペレーターとしてスタジオに所属し、翌37年には総テクニカラー映画「暁の翼」を担当。46年にはマイケル・パウエル監督作「天国への階段」で撮影監督としての初仕事を手がけ、続く「黒水仙」でアカデミー撮影賞(カラー)を受賞した。
そのほか、「アフリカの女王」(51)、「王子と踊子」(57)、アカデミー撮影賞ノミネート作「戦争と平和」(56)や同「ファニー」(61)などの撮影も手がける。1960年代になると自らメガホンをとるようになり、ゴールデングローブ賞最優秀監督賞受賞作「息子と恋人」(60)で映画監督としてもブレイク。
60年代を通じて「戦争プロフェッショナル」(68)などの監督作でヒットを生むも、70年代以降は撮影監督の仕事を軸に戻し、09年に死去するまで長く活躍を続けた。00年、大英帝国勲章を受章。翌01年には第73回アカデミー賞の生涯功労賞を受賞した。