ジェームズ・アイボリー
米オレゴン大学卒業後、南カリフォルニア大学映画学科を修了。1961年、公私にわたるパートナーとなるプロデューサーのイスマイル・マーチャントとともに製作会社マーチャント=アイボリー・プロダクションズを設立する。長編初監督作「The Householder(原題)」(63)以降、同作の原作者で脚色を手がけたルース・プラワー・ジャブバーラとも頻繁にコラボ。数々の文芸映画で手腕を発揮し、E・M・フォースター原作の「眺めのいい部屋」(86)と「ハワーズ・エンド」(92)、後にノーベル賞を受賞する作家カズオ・イシグロの小説を映画化した「日の名残り」(93)はアカデミー作品賞、監督賞などにノミネートされた。フォースター原作の「モーリス」(87)では、ベネチア国際映画祭でエルマンノ・オルミ監督の「偽りの晩餐」と銀獅子賞を分け合った。「最終目的地」(09)以降はメガホンをとっておらず、ルカ・グァダニーノ監督の「君の名前で僕を呼んで」(17)は当初、グァダニーノ監督と共同でメガホンをとる予定だったが製作と脚本に専念。自作以外で初めて脚本を書いた作品となったが、アカデミー賞をはじめ、英国アカデミー賞や全米脚本家組合賞などの脚色賞を受賞した。