クレール・ドゥニ
仏パリに生まれ、植民地行政官だった父の仕事の関係でフランス領の西アフリカ各地を転々とする。12歳でポリオに罹り帰国、治療後はパリ郊外に暮らし、15歳からアシスタントを務めた写真家と1969年に結婚するもすぐに離婚。
高等映画学院(IDHEC/現ラ・フェミス)を71年に卒業後、ジャック・リベットをはじめ多くの名監督の現場で助監督として働き、80年代にはビム・ベンダースやジム・ジャームッシュの助監督も務めた。88年、カメルーンを舞台に描いた半自伝的作品「ショコラ」で長編監督デビュー。同作はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、一躍注目を集めた。
「パリ、18区、夜。」(94)や「美しき仕事」(98)でも確かな手腕を見せ、「ネネットとボニ」(96)でロカルノ国際映画祭金豹賞を受賞。
世界に名を知られる名匠として、ジュリエット・ビノシュ主演「レット・ザ・サンシャイン・イン」(17)、英語作品「ハイ・ライフ」(18)など数多くの作品を手がけ、22年には「Stars at Noon」でカンヌ国際映画祭グランプリ、「愛と激しさをもって」でベルリン国際映画祭最優秀監督賞(銀熊賞)を受賞した。