ウォルター・サレス

ブラジルのリオデジャネイロ出身。外交官の父のもとフランスと米国を行き来して育ち、15歳で帰国する。南カリフォルニア大学映画芸術部を卒業後、10年に及ぶドキュメンタリーの現場を経てフィクション映画の製作を開始。「Foreign Land」(95)がブラジルでヒットし数々の映画祭で上映され、「セントラル・ステーション」(98)でベルリン国際映画祭の金熊賞とゴールデングローブ賞最優秀外国語映画賞を受賞、アカデミー外国語映画賞にもノミネートされ、一躍ブラジルを代表する映画監督の地位を確立する。
「ビハインド・ザ・サン」(01)でベネチア国際映画祭若手審査員賞を受賞。革命家チェ・ゲバラの青春の日々を描いた「モーターサイクル・ダイアリーズ」(04)やジャック・ケルアックの自伝的小説を映画化した「オン・ザ・ロード」(12)など、ロードムービーの名手として知られ、後者から12年ぶりの長編となった政治ドラマ「アイム・スティル・ヒア」(24)では1970年代のブラジル軍事政権下を生きた元議員一家の辿る壮絶な運命を描き、第81回ベネチア国際映画祭で脚本賞、第97回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した。