イザベル・ユペール
フランスを代表する国際派女優。パリのフランス国立高等演劇学校で演技を学び、1971年の「夏の日のフォスティーヌ」で映画デビューを果たす。「レースを編む女」(77)で脚光を浴び、クロード・シャブロル監督「ヴァイオレット・ノジエール(原題)」でカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞。以降、ジャン=リュック・ゴダール監督の「勝手に逃げろ 人生」(79)などに主演し、マイケル・チミノ監督の問題作「天国の門」(81)で米国進出する。「主婦マリーがしたこと」(88)と「沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇」(95)でベネチア国際映画祭の最優秀女優賞を受賞。ミヒャエル・ハネケ監督「ピアニスト」(01)で2度目のカンヌ国際映画祭女優賞に輝いた。フランソワ・オゾンやジャック・ドワイヨンらフランスの名監督の作品だけでなく、ポーランドのアンジェイ・ワイダや韓国のホン・サンスらの作品でも活躍する。16年時点でセザール賞史上最多となる15ノミネートを誇り(「沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇」で主演女優賞を受賞)、17年にはポール・バーホーベン監督の「エル(原題)」(16)で、アカデミー主演女優賞に初ノミネートされた。