アラン・レネ
仏西部のバンヌ出身。14歳の頃から8ミリカメラで映画を撮り始め、39年にパリに移って演技を勉強。43年には開校したばかりの高等映画学院(IDHEC)に在籍し、45年から16ミリフィルムで短編作品を制作する。以降、50年代にかけて短編映画を多数発表し、アニエス・バルダ、クリス・マルケルらとともにヌーベルバーグの左岸派として知られるようになる。48年の「Van Gogh(原題)」やホロコーストとアウシュビッツ収容所の記録をめぐる短編ドキュメンタリー「夜と霧」(55)で世界的な注目を集めた。59年、広島で撮影した日仏合作映画「二十四時間の情事」で長編監督デビューし、「去年マリエンバートで」(61)でベネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞。「プロビデンス」(74)では初の英語作品に挑戦している。「アメリカの伯父さん」(80)でカンヌ国際映画祭の審査員特別グランプリ、「スモーキング/ノースモーキング」(93・日本劇場未公開)でセザール賞の作品賞と監督賞、「六つの心」(06・日本劇場未公開)でベネチア国際映画祭の銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した。晩年もメガホンをとり続けたが、14年3月1日に91歳で他界。遺作となった「Aimer, boire et chanter(英題:Life of Riley)」(14)は、ベルリン国際映画祭のコンペ部門に出品され、アルフレッド・バウアー賞を受賞した。