二十四時間の情事
劇場公開日:1959年6月17日
解説
「君は広島で何も見なかった…何も」反戦映画の撮影で広島に来たフランス人の女優と建築技師らしい日本人の男のゆきずりの情事が、彼女の過去の禁じられた愛の記憶を甦らせる。「夜と霧」の戦争と忘却というテーマが劇映画に発展したようなレネ監督の長編第1作で、文学作家だったデュラスが初めて手掛けた映画作品。
1959年製作/91分/フランス・日本合作
原題:HIROSHIMA MON AMOUR
配給:大映
スタッフ・キャスト
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2021年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
最初は男女の絡み映像なのだが、仮名ヌベール(リヴァ)が広島原爆の惨状を博物館などで見た光景を織り交ぜながらストーリーが進む。両者とも既婚であるが、家族を失った広島での出来事は忘れたいとばかりに岡田英次は淡々と愛を語る。残り撮影は1日、24時間後には帰国しなければならないヌベール。朝方、これでお別れとばかりに切り出すも、岡田は納得できない。撮影が終ると、すぐさま自宅へ招き入れ二回戦の始まりだ・・・
徐々に別れがたくなってくる両者。今度はヌベールの過去が語られる。ドイツ人との禁断の恋。破局、銃殺、そして彼女自身非国民だと地下に閉じ込められたこと。辛い過去があったからこそ、岡田との恋にのめり込み、広島の惨状に涙できたのだ。
原爆体験をフランス人目線からではあるが、世界に発信できたのは大きな功績。反戦反核映画と言えないこともないが、日本人目線からは当時の広島の様子、特に、不夜城となるくらい繁華街が活発だったりしていたことも興味深い。
序盤に登場する広島の惨劇の映像は映画『ひろしま』からの映像だったと後から知った。
2020年4月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
総合:50点 ( ストーリー:50点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:60点|音楽:65点 )
第二次大戦後の2人の出会いから、彼らの過去の戦争の傷に触れていくことで戦争の悲惨さを表現する。
それはけだるく感傷的で孤独で、詩的でもあり芸術性を感じる。
だが分かり辛いし、悠長で退屈する部分も多い。戦争の被害者の断末魔が、彼らのいる原爆で破壊された悲惨な広島というすぐ近くからではなく、何かもっと遠い彼方から聞こえてくる。現実の戦争の悲惨さに1つ芸術という緩衝材を挟むことで、直接的な表現が少なくなり難解で抽象的な概念になってしまっている。戦後何年もたって未だに生きる屍のような気力を亡くした女を通じて、彼女の内側に残された傷だけを味わっているよう。
こういう表現方法の価値もわからないではないが、万人向けではない。ちょっと観るのに気力がいる。こんな作品もとりあえず経験として観ておいてもいいかというところ。
ただし妖しい力もある。もし自分が心に傷を負い孤独でいる時に観たのならば、登場人物と共にどっぷりと自分自身もその雰囲気に沈んでしまいそう。そんな時に観たのではなくて良かったかもしれない。
2018年3月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ヒロシマ・モナ・ムール
悲惨な出来事をアートというベールで包み込み、好き勝手に弄んでいるとしか思えない、かなり辛辣な表現になってしまったけれど、正直な感想をいうと、そうなってしまった。
原爆の悲惨さは、決して理解されないものなのかもしれない、そう思わざるを得ない。
そもそもこの映画を原爆を描いたものと捉えて鑑賞すること自体間違っているのかもしれない。単に広島とフランスの交わりを描いたに過ぎないわけで、そこに悲惨な出来事も当然のように絡んでくるだけに過ぎない。しかしながら、そう捉えたとしても余計に作品の価値を見いだせなくなってしまうだけのような気がする。
なかなか作品の意図が見えなかったので、評価もしづらい。
2018年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
Hiroshima Mon Amour
ヒロシマモナムール
当時、日本で公開の時から話題騒然だったらしい
邦題にみんな納得していなかった
決して恋愛ドラマではないのだろうが
内容が重すぎてこうなったのか…
それにしても岡田英次のフランス語が「すごっ!」って思ったけど
『ベルリン天使の詩』みたいな 詩の朗読と感じるシーンの連続
芸術なんだと思う 娯楽映画ではないっしょ(^-^;
とにかく戦争は二度としてはいけない
だけどきっとまた起こる…
というくだらない人間の社会なんだから
愛に耽ってなにも考えない 悲しみさえも捨てる
ということなのかな・・・・? 哲学的ぃ( ;∀;)