劇場公開日 1959年6月17日

「『ひろしま』」二十四時間の情事 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0『ひろしま』

2021年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 最初は男女の絡み映像なのだが、仮名ヌベール(リヴァ)が広島原爆の惨状を博物館などで見た光景を織り交ぜながらストーリーが進む。両者とも既婚であるが、家族を失った広島での出来事は忘れたいとばかりに岡田英次は淡々と愛を語る。残り撮影は1日、24時間後には帰国しなければならないヌベール。朝方、これでお別れとばかりに切り出すも、岡田は納得できない。撮影が終ると、すぐさま自宅へ招き入れ二回戦の始まりだ・・・

 徐々に別れがたくなってくる両者。今度はヌベールの過去が語られる。ドイツ人との禁断の恋。破局、銃殺、そして彼女自身非国民だと地下に閉じ込められたこと。辛い過去があったからこそ、岡田との恋にのめり込み、広島の惨状に涙できたのだ。

 原爆体験をフランス人目線からではあるが、世界に発信できたのは大きな功績。反戦反核映画と言えないこともないが、日本人目線からは当時の広島の様子、特に、不夜城となるくらい繁華街が活発だったりしていたことも興味深い。

 序盤に登場する広島の惨劇の映像は映画『ひろしま』からの映像だったと後から知った。

kossy