ギレルモ・デル・トロ監督が約7年ぶりに公式来日!渾身作「フランケンシュタイン」は「人生の長い旅路」
2025年9月26日 13:00

第82回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されたNetflix映画「フランケンシュタイン」のジャパンプレミアが9月24日、都内で行われ、ギレルモ・デル・トロ監督が出席した。
デル・トロ監督の公式来日は、アカデミー賞作品賞・監督賞を受賞した「シェイプ・オブ・ウォーター」のプロモーション以来、約7年8カ月ぶり。映画は、新たな生命を生み出すという欲望に駆られたフランケンシュタインと、その果てに誕生した“怪物”の狂気じみた冒険を通し、人間の存在と「真のモンスターとは何者か?」を問いかける。

幼少期にボリス・カーロフが怪物を演じた「フランケンシュタイン(1931)」を、テレビ放送で見て以来、その異形の存在に魅せられていたといい、「周りに馴染めず、少し“奇妙な”少年だった自分にとって、共感を覚えることもあったし、不完全な姿に美しさも感じていた」と、強い思い入れを語った。
人間の創造物に、命が宿るという点では、マーク・グスタフソンとの共同監督で生み出した「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」(2022)と共通しており、「同じテーマを、別々の側面から描いたとも言える」と自己分析する。
その上で、フランケンシュタインと怪物の関係性に“父と息子”というテーマを見出したといい、「11歳のときに原作を読んで、『いつか映画化したい』と思っていた自分、そして、気付けば、40代を迎えて、父親になっていた自分……。そういう意味では、自伝のような作品でもあり、父子のテーマを見つめながら、映画を完成させた過程は、まるで人生の長い旅路のようだった」と、本作に注いだ情熱を語った。

フランケンシュタインを演じるのは、「スター・ウォーズ」続三部作のポー・ダメロン役、「DUNE デューン 砂の惑星」ではレト・アトレイデス公爵役を務めたオスカー・アイザック。そして、怪物をリドリー・スコット監督の最新作「ザ・ドッグ・スターズ(原題)」に主演するジェイコブ・エロルディが演じている。
「ジェイコブに会った瞬間、目を見て、怪物の怒りを表現できる完ぺき俳優だと思った。オスカー・アイザックとの相性もとても良かったし、彼自身もフランケンシュタインの善人、悪人両面を見事に演じてくれた。映画が“国”だとすれば、俳優は“大使”のような存在。映画製作の8割は、キャスティングが占めていると思う」(デル・トロ監督)

ジャパンプレミアには、デル・トロ監督と親交の深いゲームクリエイターの小島秀夫氏(「DEATH STRANDING」)がスペシャルゲストとして登壇。やはり、映画が描く“父と息子”というテーマに惹かれたといい「ここまで昇華させたのは、すごいなと。こんなに美しく、変な言い方ですけど、優しい『フランケンシュタイン』は初めて」と感嘆の声をあげた。

ツーショットでの写真撮影では、肩を組みあったり、双方の手でハートを作ったりと、大の仲良しぶりを披露。関係者によると、デル・トロ監督は、9月23日に都内で開催されたコジマプロダクション10周年記念イベント「Beyond The Strand」に、ジョージ・ミラー(「マッドマックス 怒りのデス・ロード」)、押井守(「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」)らとともに出席したという。

ジャパンプレミアの締めくくりとして、デル・トロ監督は「自分と違う他者を受け入れることが難しいと感じる時代。だからこそ、違うもの同士が最後には和解し、理解し合えると伝えたかった。映画が完成し、私自身も、とても解放された気持ちになっている」と、日本のファンにメッセージを送った。
「フランケンシュタイン」は、Netflixで2025年11月7日から配信。それに先立つ10月24日から一部劇場で公開される。
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