「ルパン三世 カリオストロの城」声優、あらすじまとめ 宮﨑駿監督と鈴木敏夫Pが初めて出会った作品
2025年6月27日 21:00

6月27日午後9時から日本テレビ系「金曜ロードショー」で、劇場アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」がノーカット放送されます。
本作は、1979年に公開された「ルパン三世」劇場版第2作。初期のアニメ版「ルパン三世」の名作であると同時に、宮﨑駿監督の劇場長編初監督作品としても知られ、本作のヒロインであるクラリス役を「風の谷のナウシカ」でナウシカ役を務めた島本須美さんが演じています。
「ルパン三世 カリオストロの城」のあらすじ、キャスト、知っておくと本作がより楽しめるトリビアをご紹介します。

カジノから盗み出した大金が「ゴート札」と呼ばれる偽札であることに気づいたルパンと次元は、偽札の秘密を探るためカリオストロ公国を訪れる。その道中でルパンたちは、謎の男たちに追われていた花嫁姿の少女クラリスを目撃。彼女は公国の亡き大公の娘で、摂政として国の実権をにぎるカリオストロ伯爵に結婚を迫られていたのだ。ルパンたちは、伯爵にさらわれたクラリスを救うためカリオストロ城に潜入する。

ルパン三世:山田康雄
次元大介:小林清志
峰不二子:増山江威子
石川五ェ門:井上真樹夫
銭形警部:納谷悟朗
クラリス:島本須美
カリオストロ伯爵:石田太郎
園丁:宮内幸平
ジョドー:永井一郎
ウェイトレス:山岡葉子

「カリオストロの城」は同業のアニメクリエイターから、作品の素晴らしさとあわせて、制作スケジュールの短さについて触れられることが多い作品です。同作のストーリーラインの作成、絵コンテ、作画までの制作期間がわずか4カ月だったことが、同作の作画監督を務めた大塚康生さんの回想録「作画汗まみれ 改訂最新版」に記されています。
大塚さんは同書で、「おそらくその質の高さ/制作期間比では『カリオストロの城』は日本の長編アニメーション史上最短の制作期間記録をマークしているのではないでしょうか」とも振り返っています。また宮﨑監督は、自作を語るインタビューで、「ルパン(編注:宮﨑監督と高畑勲監督が途中から参加した「ルパン三世(1st シリーズ)」のこと)や東映時代にやったことの大たなざらえなんですよ。だから新しくつけ加えたものは何もないと思うんです」と謙遜しながら語っています。
また、「アニメージュ特別編集『映画天空の城ラピュタ』ガイドブック」に抄録されている宮﨑監督と大塚さんの対談で宮崎監督は、「ルパンっていう企画は実にフトコロが深い」「百人の人間がいると百のルパン像があるんですね」と語っています。そこで宮崎監督が選んだルパン像として、「(19)60年代末から70年頭に一番生き生きしていた男が、今、生き恥をさらして生きているというふうに構えるしか手がなかったんです」と振り返っています。
「作画汗まみれ 改訂最新版」は、日本のアニメーション黎明期について書かれた貴重な回想録です。面白くて勉強になるエピソードが満載ですので、ご興味ある方はぜひ読んでみてください。

スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが宮﨑監督に初めて会ったのは「カリオストロの城」の制作中でした。当時「アニメージュ」の編集者だった鈴木プロデューサーは宮﨑監督にインタビューを申し込むも、宮﨑監督は同誌の編集姿勢を批判して取材を断ったそうです。鈴木氏はそれに引かず制作現場に通い続けます。
「カリオストロの城」の冒頭のカーチェイスシーンにでてくるルパンのセリフ「まくるぞ」は、現場に通っているとき、絵コンテ執筆中の宮﨑監督から「こういうとき何て言うんですかね?」と聞かれ、競輪好きの亀山修氏(鈴木プロデューサーの同僚の「アニメージュ」編集者)が「まくる」と呼ぶことを教えたことから生まれたそうです。そのやりとりをきっかけに、宮﨑監督は鈴木プロデューサーたちに心を開いてくれるようになったそうです。
宮﨑監督の才能に魅了された鈴木プロデューサーと宮﨑監督の長い付き合いがそこからはじまり、「アニメージュ」での「風の谷のナウシカ」の漫画連載・映画化、スタジオジブリ設立へとつながっていきます。

宮﨑監督は「カリオストロの城」の制作後、「ルパン三世(2ndシリーズ)」の第145話「死の翼アルバトロス」、第155話「さらば愛しきルパンよ」の脚本・絵コンテ・演出をペンネームで手がけています。ペンネームの「照樹務」は、テレコム・アニメーションフィルムの「テレコム」をもじってつけられました。
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