【第97回アカデミー賞ノミネート全リスト】「エミリア・ペレス」が最多12部門13ノミネート!日本勢は伊藤詩織監督が長編ドキュメンタリー部門、西尾大介監督「あめだま」が短編アニメ部門に選出
2025年1月24日 00:02
米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは1月23日(現地時間)、第97回アカデミー賞のノミネート作品を発表した。最多ノミネートを獲得したのは、ジャック・オーディアール監督作「エミリア・ペレス」。作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞といった主要部門のほか、撮影賞、国際長編映画賞など12部門で13ノミネートを果たした。スペイン語で展開される今作は、非英語映画としては歴代最多ノミネートとなる。主演のカルラ・ソフィア・ガスコンは、トランスジェンダーの俳優として史上初のアカデミー賞主演女優賞に名を連ねた。
昨年の第96回は、クリストファー・ノーラン監督がメガホンをとった「オッペンハイマー」がオスカー戦線を独走した年だった。作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞という主要部門のほか、編集賞、撮影賞、作曲賞を受賞。本年度は、「オッペンハイマー」のような有力作がなく、競合ひしめく混沌としたオスカー戦線となりそうだ。
12部門13ノミネートの「エミリア・ペレス」に次ぐのが、10部門で並んだ「ブルータリスト」(作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞など)と「ウィキッド ふたりの魔女」(作品賞、主演女優賞、助演女優賞など)の2作品。さらに、「教皇選挙」と「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」の2作品が8部門ノミネートで追随するなど拮抗している。
また昨年は、日本の作品にとっても目が離せないノミネート発表となった。オスカー前哨戦で健闘を続けてきた宮崎駿監督作「君たちはどう生きるか」は長編アニメーション賞、北米興行が好調の山崎貴監督作「ゴジラ-1.0」は視覚効果賞、ヴィム・ヴェンダース監督と役所広司がタッグを組んだ「PERFECT DAYS」は国際長編映画賞にノミネート。「君たちはどう生きるか」と「ゴジラ-1.0」は、その勢いのまま同部門を制する快挙を成し遂げ、日本の作品が異例の2部門受賞と大きな話題を呼んだことは記憶に新しい。
今年も日本に関連した作品が3本がノミネートされた。伊藤詩織監督作「Black Box Diaries」(イギリス・アメリカ・日本合作)が長編ドキュメンタリー映画賞に名を連ねた。これは日本人として、初の快挙。そして、東映アニメーション製作の短編映画「あめだま」(英題:Magic Candies)が、短編アニメーション部門にノミネートされた。日本映画が同部門に選出されたのは4度目となる。さらに、短編ドキュメンタリー部門で「小学校 それは小さな社会」(山崎エマ監督)から生まれた「Instruments of a Beating Heart」がノミネートを果たしている。
第97回アカデミー賞は、3月2日(現地時間)に米ハリウッドのドルビー・シアターで開催される。
発表されたノミネート作品は、以下の通り。
「ANORA アノーラ」
「ブルータリスト」
「教皇選挙」
「ウィキッド ふたりの魔女」
「デューン 砂の惑星 PART2」
「エミリア・ペレス」
「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」
「サブスタンス」
「Nickel Boys」
「I'm Still Here」
ブラディ・コーベット「ブルータリスト」
ショーン・ベイカー「ANORA アノーラ」
ジャック・オーディアール「エミリア・ペレス」
コラリー・ファルジャ「サブスタンス」
ジェームズ・マンゴールド「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」
エイドリアン・ブロディ「ブルータリスト」
ティモシー・シャラメ「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」
コールマン・ドミンゴ「シンシン SING SING」
レイフ・ファインズ「教皇選挙」
セバスチャン・スタン「アプレンティス ドナルド・トランプの創り方」
シンシア・エリボ「ウィキッド ふたりの魔女」
カルラ・ソフィア・ガスコン「エミリア・ペレス」
マイキー・マディソン「ANORA アノーラ」
デミ・ムーア「サブスタンス」
フェルナンダ・トーレス「I'm Still Here」
ユーリー・ボリソフ「ANORA アノーラ」
キーラン・カルキン「リアル・ペイン 心の旅」
エドワード・ノートン「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」
ガイ・ピアース「ブルータリスト」
ジェレミー・ストロング「アプレンティス ドナルド・トランプの創り方」
モニカ・バルバロ「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」
アリアナ・グランデ「ウィキッド ふたりの魔女」
フェリシティ・ジョーンズ「ブルータリスト」
イザベラ・ロッセリーニ「教皇選挙」
ゾーイ・サルダナ「エミリア・ペレス」
ショーン・ベイカー「ANORA アノーラ」
ブラディ・コーベット、モナ・ファストボールド「ブルータリスト」
ジェシー・アイゼンバーグ「リアル・ペイン 心の旅」
ティム・フェールバウム「セプテンバー5」
コラリー・ファルジャ「サブスタンス」
ジェームズ・マンゴールド、ジェイ・コックス「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」
ピーター・ストローハン「教皇選挙」
脚本:ジャック・オーディアール、協力:トマ・ビデガン、レア・ミシウス、ニコラ・リベッチ 「エミリア・ペレス」
ラメル・ロス、ジョスリン・バーンズ「Nickel Boys」
脚本:クリント・ベントレー、グレッグ・クウェダー、原案:クリント・ベントレー、グレッグ・クウェダー、クラレンス・マクリン、ジョン・“ディバイン・G”・ウィットフィールド「シンシン SING SING」
ロル・クローリー「ブルータリスト」
グレイグ・フレイザー「デューン 砂の惑星 PART2」
ポール・ギローム「エミリア・ペレス」
ギャビン・ストラザーズ「マリア」
ジェアリン・ブラシュケ「Nosferatu」
「Black Box Diaries」
「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」
「Porcelain War」
「Soundtrack to a Coup d'Etat」
「SUGARCANE シュガーケイン」
「Death by Numbers」
「I Am Ready, Warden」
「Incident」
「Instruments of a Beating Heart」
「ザ・レディ・イン・オーケストラ NYフィルを変えた風」
ショーン・ベイカー「ANORA アノーラ」
ダービド・ヤンチョ「ブルータリスト」
ニック・エマーソン「教皇選挙」
ジュリエット・ウェルフラン「エミリア・ペレス」
マイロン・カースタイン「ウィキッド ふたりの魔女」
「I'm Still Here」(ブラジル代表)
「The Girl with the Needle」(デンマーク代表)
「エミリア・ペレス」(フランス代表)
「聖なるイチジクの種」(ドイツ代表)
「Flow」(ラトビア代表)
ダニエル・ブルンバーグ「ブルータリスト」
フォルカー・ベルテルマン「教皇選挙」
クレモン・デュコル、カミーユ「エミリア・ペレス」
ジョン・パウエル、スティーブン・シュワルツ「ウィキッド ふたりの魔女」
クリス・バワーズ「野生の島のロズ」
“El Mal”「エミリア・ペレス」
“The Journey”「6888郵便大隊」
“Like A Bird”「シンシン SING SING」
“Mi Camino”「エミリア・ペレス」
“Never Too Late”「エルトン・ジョン Never Too Late」
「A Lien」
「Anuja」
「I'm Not a Robot」
「The Last Ranger」
「The Man Who Could Not Remain Silent」