【「八犬伝」どこが好き?】曽利文彦×山崎貴×上杉裕世のてい談映像、ヴィム・ヴェンダースらのコメント発表
2024年10月3日 10:00
山田風太郎氏の小説「八犬伝 上・下」(角川文庫刊)を、役所広司主演で映画化する「八犬伝」(10月25日公開)のスペシャルてい談映像が、このほど公開された。参加しているのは、「八犬伝」のメガホンをとった曽利文彦監督、日本映画におけるVFXの第一人者である山崎貴監督、「八犬伝」にVFXスーパーバイザーとして参加した上杉裕世氏。映画界の第一線で活躍を続けるクリエイターにして、共に1964年生まれの同い年の3人が、原作や映画の魅力を語り合っている。
世界に誇る日本ファンタジー小説の原点「八犬伝」。本作は、里見家にかけられた呪いを解くため、運命に引き寄せられる若き8人の剣士たちの戦いをダイナミックに描く“虚”パートと、180話に及ぶ物語を悩み苦しみながら28年もの歳月をかけて書き上げた作家・滝沢馬琴の創作の真髄、そこで生まれた奇跡の実話を描いた“実”パートがシンクロするというエンタテインメント大作だ。
映画作りの原点は自分たちで作った作品を文化祭で上映したことという点も共通する曽利監督、山崎監督、上杉氏。映像では、笑いの絶えない、しかし熱を帯びたトークが展開している。かねてより「八犬伝」の映画化を切望していた曽利監督は「山田風太郎さんの小説『八犬伝』は最高傑作だと思っているので、映画化できてすごく幸せです」と噛み締めるように語る姿が印象的。
第96回アカデミー賞では、「ゴジラ-1.0」で日本の作品として初めて視覚効果賞を受賞したことでも知られる山崎監督は、「八犬伝」の映画化を聞いた時に「ふざけんなよ!」と思ったそうで、かつては自身で「八犬伝」を映画化したかったことを告白している。曽利監督版「八犬伝」については「超エンタメでありながら、虚と実という哲学的なテーマを描いているところが面白い。贅沢な映画」と太鼓判を押している。
これまでに「アバター」「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」「アベンジャーズ」など世界的大ヒット映画に携わり、本作にはVFXスーパーバイザーとして参加した上杉は、「VFXでしか成り立たない壮大なスケールや、シームレスなVFXの役割にもものすごく価値がある」と力説。その上で、完成した本作については「“虚”でスタートダッシュをかけて、びっくりするようなタイミングで“実”になるのがすごく絶妙」と確かな手ごたえを感じているようだ。
なお、本てい談は、映画公式サイトでフルバージョンを公開中。「八犬伝」にちなんで8つの質問を用意し、「八犬伝」への並々ならぬ思いや、本作のテーマである「正義を描くことについて」などについて語り尽くしている。
また、著名人コメントも到着。詳細は、以下の通り。
「虚(八犬伝)」の世界を生み育て、28年もの時をかけて完結させた、馬琴の「実」の物語。
江戸文化の最後の華というべき天才奇人たち、それも北斎や南北が同時代に生きて張り合う中で生まれた一大奇談なのだから、ワビサビや風流といった平凡な感性では映画にできない。江戸美意識の極致といえる「風狂」で対抗するほかはないのだろう。
私は、すごく面白かった。物語とそれを生み出す者の掛け合い。ワクワクしたり胸が詰まったりでうぅと惹き込まれ、最後の場面で号泣。久方ぶりに良い日本映画を観た充実感を得た。ありがとうございます。
映画を見終わった後にはっきりと思い出せるシーンがあるととても楽しいと思うのですが、今回の八犬伝はラストシーンがまさにそれでした。馬琴の表情がたまらなく良かったです。そこまでの全部がフリだったかのような最高の表情。
いくつになっても創作を続ける凄みに元気いただきました。
八犬伝って、何か漫画やゲームにもなっていたっけ?妖刀 村雨?八つの珠?
『八犬伝』の挿絵を葛飾北斎が描いてたというのは知らなかったので、原作の滝沢馬琴と挿絵の北斎の関係が、漫画原作者と漫画家の関係みたいに描かれていて、観てて、あるあるな感じもよかったし、役所広司さんが好きだったので、やはり滝沢馬琴を見事に演出して味付けがグッとくる見応えの演技でした☆
馬琴の生きる現実世界と八犬伝というフィクション世界が相互に作用しあっている様がよく表されている。本気で向き合って創り上げたものは人の心を動かすのだと強く感じた。また、馬琴と北斎の掛け合いも非常に面白い。
映像が美しくて、すぐに映画の世界に引き込まれてしまいました
。
いくつものストーリーが同時進行していて、どうなるのかハラハラドキドキして感動の結末でした。
「八犬伝」の物語が完成するまでの滝沢真琴の28年間の苦悩から、大きなことを達成するには、自分一人の力だけでは難しいという思いが感じられる映画でした。また、八犬士のように仲間のために自己を犠牲にして戦う姿勢や、葛飾北斎と滝沢馬琴のように互いに高め合う友情には、アスリートの競技生活でも経験するライバルへの想いと共通するものがあり、胸が熱くなりました。
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2012年に逝去した若松孝二監督が代表を務めていた若松プロダクションが、若松監督の死から6年ぶりに再始動して製作した一作。1969年を時代背景に、何者かになることを夢みて若松プロダクションの門を叩いた少女・吉積めぐみの目を通し、若松孝二ら映画人たちが駆け抜けた時代や彼らの生き様を描いた。門脇むぎが主人公となる助監督の吉積めぐみを演じ、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」など若松監督作に出演してきた井浦新が、若き日の若松孝二役を務めた。そのほか、山本浩司が演じる足立正生、岡部尚が演じる沖島勲など、若松プロのメンバーである実在の映画人たちが多数登場する。監督は若松プロ出身で、「孤狼の血」「サニー 32」など話題作を送り出している白石和彌。
若松孝二監督が代表を務めた若松プロダクションの黎明期を描いた映画「止められるか、俺たちを」の続編で、若松監督が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を舞台に描いた青春群像劇。 熱くなることがカッコ悪いと思われるようになった1980年代。ビデオの普及によって人々の映画館離れが進む中、若松孝二はそんな時代に逆行するように名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げる。支配人に抜てきされたのは、結婚を機に東京の文芸坐を辞めて地元名古屋でビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治で、木全は若松に振り回されながらも持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。そんなシネマスコーレには、金本法子、井上淳一ら映画に人生をジャックされた若者たちが吸い寄せられてくる。 前作に続いて井浦新が若松孝二を演じ、木全役を東出昌大、金本役を芋生悠、井上役を杉田雷麟が務める。前作で脚本を担当した井上淳一が監督・脚本を手がけ、自身の経験をもとに撮りあげた。