相米慎二監督「お引越し」「夏の庭 The Friends」4Kリマスター版、12月27日から公開
2024年9月9日 12:00

相米慎二監督作品「お引越し」「夏の庭 The Friends」4Kリマスター版が、12月27日から全国順次公開される。併せて、相米作品に出演した田畑智子、中井貴一、戸田菜穂、笑福亭鶴瓶からのコメントが披露された。
「セーラー服と機関銃」「ションベン・ライダー」「台風クラブ」などで知られ、日本映画界を代表する名優・監督らが揃って彼への想いを熱く語るなど、圧倒的な存在感を放ち続ける相米監督。作品に関わった俳優・スタッフのみならず、没後20年以上経った今もなお、映画人たちへの影響は計り知れない。
1993年、第46回カンヌ国際映画祭で“ある視点”部門に選出された「お引越し」は、両親の別居から家族の危機に揺れる小学6年生の少女の心を描いた物語。35ミリオリジナルネガフイルムから4K解像度によるスキャンを行い、デジタルリマスター作業を施したリマスター版は昨年、第80回ベネチア国際映画祭クラシック部門(Venice Classics)に出品され、最優秀復元映画賞を受賞。その後フランスで劇場公開されるや、当初の数館から50館以上に拡大公開され、フランスを代表するル・モンド紙一面で取り上げられるなど、各メディアから「30年の時を経て、ついに姿を現した」「青春映画の偉大な作品」と絶賛の声が集まり、台湾やアメリカ、オランダ、スイスでも上映された。

同じく公開を迎える「夏の庭 The Friends」(94年公開)は4Kリマスター版として修復されると、今夏、大々的に相米慎二監督特集が組まれた香港映画祭〈夏編〉にてワールドプレミア上映を果たした。原作は、世界十数カ国で翻訳出版されている湯本香樹実の小説。名優・三國連太郎の圧倒的存在感と少年たちの瑞々しい演技で映画化した。少年たちが、ある老人との交流から「死」と「生」を考える、ひと夏の成長譚だ。
12月27日からBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開。
■田畑智子(「お引越し」レンコ 役)
「お引越し」は私自身のデビュー作であり、思い入れしかない、宝物のような作品です。
小学生だった私は、まさか30年経ってもまだこの仕事をしているなんて思ってもいませんでした。
相米監督に出会って私の人生が変わった。あの夏はそのぐらいの出来事でした。
改めて観る方も、初めての方も、現代だからこそ響くところがきっとあるし、相米監督のつくる世界をいろんな方に楽しんでもらいたいです。
相米監督との出会いは、人見知り合戦からスタート。お互い、人見知りで、「東京上空いらっしゃいませ」の顔合わせが進まず、トイレから帰って来た相米監督が、突然、「中井、ゴルフやる?ゴルフ行こう」と。
その一週間後、ゴルフをラウンドしながら、打ち合わせ、顔合わせとあいなった。そこからの、お付き合い。
「お引越し」は、一ヶ月、京都ロケ。しかも、お盆時期。インバウンドの盛んな今ほどではないが、実際の大文字山をバックに撮影などとは、車量、人の数からして正気の沙汰ではない。
それを、平然と実行するのが、相米組の凄さ。
まだまだ、話すエピソードの尽きぬ、思い出の映画である。
最も敬愛し、最高の友人でもあった相米慎二の凄さを、再び体感してほしい。
相米監督には「東京上空いらっしゃいませ」からずっと出演させてもらったのですが、その時は別に何とも思わなかったですね。ただウマが合って、僕と相米監督と安田プロデューサーと中井貴一で〝あほの会″というのを作って月に一回ご飯食べに行ったりしてましたね。
いま番組で色々な監督と出会う機会が多いのですが、〝相米さんはどうやった″とずっと聞きはるんですよね。若い監督が相米慎二の事を神さんみたいに尊敬しててそんな監督の作品にずっと出してもうてた僕までもがなんか羨ましがられて...。改めてすごい人やったんやなと実感してます。
ただ人間的には無茶苦茶ですよ。それでも人に好かれていて不思議な人ですね。
あの偉大さを今ようやくわかったというか、ただの友達と思ってましたがすばらしい監督ですね。
私の映画デビュー作は、相米慎二監督の「夏の庭 The Friends」で、三國連太郎さん淡島千景さんの孫の役だったと話す時、とてもとても誇らしい気持ちになります。
静まり返る現場で一人ぼっち、頼れるのは自分しかいない。これがプロの厳しさだと教わりました。本当に虹がきれいだと思ってセリフが言えるまで、延々と繰り返されたこの尊い経験がいつも私の根底にあります。
あの少年たちはいくつになったのかなあ。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

ガンニバル
【衝撃の問題作】なぜ世界は「ガンニバル」にハマるのか? “絶対的支持”の理由を徹底解説!
提供:ディズニー

BETTER MAN ベター・マン
【観ないとぜっったい後悔する】「グレショ」監督最新作!ラスト5分の破壊力に、感動を超えて放心状態
提供:東和ピクチャーズ

劇場版モノノ怪 第二章 火鼠
同僚にあまりにオススメされるので、ミリしらで観たら不覚にも秒で沼にハマって大変なことになった話
提供:ツインエンジン

すごすぎて言葉にならない映画
【人類史上最悪の“ブラック仕事”爆誕】よく考えずに転職したら…死んで生き返る“無限労働”だった
提供:ワーナー・ブラザース映画

日本の映画館は高すぎる!?
【そんなあなたに…衝撃の価格破壊!】2000円→750円になる裏ワザあります
提供:KDDI

35年目のラブレター
【感動実話に“とんでもない絶賛”の嵐】噂を聞きつけ実際に観てきたら…忖度なし正直レビュー!
提供:東映

ディズニープラス デジタルギフトカード(通常価格5,940円)が当たる!
「ガンニバル」シーズン1をちょっとでも観たことある人、今すぐ参加して!(提供:ディズニー)