石原さとみ、主演作完成に涙ぐむ 直談判した吉田恵輔監督との初タッグに「夢が叶った」
2024年4月16日 20:55

俳優の石原さとみが4月16日、東京・新宿ピカデリーで行われた主演映画「ミッシング」の完成披露試写会に出席。我が子が失踪し、極限まで翻弄されていく母親役を体当たりで演じた石原はステージに登壇するなり「皆さん、今日はお集まりいただきありがとうございます」と思わず瞳を潤ませると、「早い!」と自らつっこみをいれて大笑い。「私の夢が叶った作品です。皆様にお届けできることが心の底からうれしいですが、怖い部分もあります」と声を絞り出し、満席の会場から大きな拍手を浴びた。

「ヒメアノ~ル」や「空白」の吉田恵輔監督(※「吉」は“つちよし”が正式表記)がオリジナル脚本でメガホンをとった本作。ある日突然いなくなった娘の帰りを待ち望みながらも、自分たちの力ではどうにもできない現実との間でもがき苦しみ、事件をめぐるマスコミと世間の声に翻弄される母親と家族の姿を描く。
この日は、中村倫也、青木崇高、森優作、小野花梨、細川岳、吉田監督も登壇。吉田監督は「僕にとっても、石原さんにとっても、分岐点になるような作品になったのではないか」と誇らしげな表情を見せた。

石原は2022年に第一子を出産後、本作で1年9カ月ぶりの芝居に臨み、出口のない迷路を彷徨い続ける母親・沙織里を演じた。吉田監督に直談判して初タッグが叶ったそうで、「7年前に今のままじゃいけない、変わりたい、自分を壊してほしいという衝動に駆られた。『私を変えてくれる人は誰だ』といろいろな作品を観ながら、吉田監督の作品に出合った。『この人だったら私のことを変えてくれる。絶対に学びがある』と直感した。人づてに『吉田恵輔さんを知りませんか』といろいろな人を辿って、プライベートでお会いさせていただいて『出させてほしい』と直談判しに行きました」と回想。

「一度は断られた(笑)。連絡先だけ交換させていただいた」と告白しつつ、「そこから3年間、まったく音沙汰がなかったんですが、3年後に『脚本を書きました』と連絡をいただいて。本当に飛び跳ねるほどうれしかった。妊娠、出産を待ってくださって、昨年の今頃に撮影をして、今こうしてお届けできる。感慨深いです」と、長い道のりを経てたどり着いた本作への並々ならぬ思い入れを明かした。
吉田監督は「最初に『出たいです』と言われたんですが、『すみません、苦手です』と言った。石原さんは、華がすごい。僕の映画って地味で、下町や郊外が舞台の場合が多い。石原さんは港区臭がすごいするので『ごめんなさい』と言った」とぶっちゃけて観客も大笑い。「今回は石原さんをこっちの世界に引きずり込めないかなと、ある種のギャンブルというか。多分、みんなが知っている石原さとみさんではないものが映っている」と力強く語り、鑑賞前の期待値のハードルを「上げてもいい」と自信をにじませた。

疲弊していく母親を演じる上では、試行錯誤を繰り返したという石原。髪はシャンプーではなくボディソープで洗うことで、パサつきを生み出したと話す。

石原とドラマ「H2 君といた日々」以来19年ぶりの共演となった中村は、石原と同じ年、同じ誕生日、同じ血液型だと打ち明けた。「初日に現場に行って、これから芝居をするとなった時に、ものすごく感慨深かった」と切り出した中村は、「そこで『石原さとみの背中を追いかけていたんだな、俺』と気づいた。僕がこの仕事を始めた時には、さとみちゃんは同世代のトップを走っていた」としみじみ。「19年くらい前のドラマには、崇くん(青木)も出ていた。この並びには、運命を感じた。今日も取材を3人でやったりしていたけれど、ずっとうれしい」と、石原、青木と顔を見合わせながら目尻を下げていた。
涙あり、笑いありの、温かな雰囲気いっぱいの舞台挨拶となったが、最後に石原は「宝物のような作品。何年経っても、この作品が転機だと言えます」とキッパリ。「皆さんにお届けできることがとても緊張しますが、うれしいです。やさしい光が必ずあります。それを受け取って、誰かに渡していただけたらうれしい」と心を込めていた。
「ミッシング」は、5月17日から全国公開。
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