奥山大史×池松壮亮×ハンバート ハンバート「ぼくのお日さま」第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に 奥山監督は日本人として史上最年少選出
2024年4月11日 21:30
「僕はイエス様が嫌い」の奥山大史が監督・撮影・脚本・編集を務める「ぼくのお日さま」が、2024年度の第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品される。奥山大史監督、出演の池松壮亮、主題歌のハンバート ハンバートからの喜びのコメントが公開された。
今年、グザビエ・ドランが審査員長を務めることでも注目される「ある視点」部門へ、日本人監督の作品が出品されるのは、2022年の早川千絵監督「PLAN 75」以来2年ぶりとなり、今年2月に28歳になった奥山大史監督は、「ある視点」部門に、日本人監督として史上最年少で選出される快挙となった。
「ある視点」部門は、過去の日本作品では北野武監督「ソナチネ」や黒沢清監督「トウキョウソナタ」、是枝裕和監督「空気人形」など日本を代表する監督たちの作品が選出されてきており、近年では特に、新しい映画監督を国際的な舞台へと輩出する部門として注目され、今年は2000本以上の作品の中から選ばれた。
カンヌ国際映画祭の総代表も務めるティエリー・フレモー氏から「是枝(裕和監督)の再来だ。10分見ればこれがまさに映画であることが分かる。ぜひとも大きなスクリーンで見てほしい」と選出理由も述べられた。
本作は、田舎町のスケートリンクを舞台に、吃音をもつホッケーが苦手な少年タクヤと、選手の夢を諦めたスケートのコーチ荒川、コーチに憧れるスケート少女さくらの3人の視点で紡がれ、雪が降りはじめてから雪がとけるまでの、淡くて切ない恋の物語を描く。奥山監督が、撮影、脚本、編集も手がけている。
「君たちはどう生きるか」の主題歌である米津玄師「地球儀」のMVの監督・撮影・編集を手がけ国内でも注目を集める奥山監督は、大学在学中に自主制作し、撮影・脚本・編集も手がけた「僕はイエス様が嫌い」で、第66回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞、第29回ストックホルム国際映画祭最優秀撮影賞、第19回ダブリン国際映画祭最優秀撮影賞など長編デビュー作からすでに海外で高く評価されていた。
映画「ぼくのお日さま」は、9月よりテアトル新宿、TOHO シネマズシャンテほか全国公開。
映画そのものを祝福してくれるような世界最高峰の地で、自分にとって本当に大切な作品を、様々な国の映画人、映画ファンにみていただけること、大変光栄に思っています。奥山さんをはじめ、主演の敬達、希亜良、キャストスタッフ、この映画に関わった全ての
方々と、この喜びを分かち合いたいです。
週末になると渋谷に出かけミニシアターで映画を観ていた高校時代の私にとって、カンヌの「ある視点」は“いい映画”の指標のような存在でした。その「ある視点」に「ぼくのお日さま」が選ばれるなんて、嬉しすぎて恐ろしいです。
私たちの作品が、発表から 10 年後に一本の映画になり、それがカンヌ映画祭の出品作となって、またたくさんの人たちと出会う事になるなんて、こんな幸せなことはありません。子育てをしていると、子どもによって自分の世界が広がる事がしばしばあるけれど、それに似た感覚です。
光栄の至りです。「月の光」が繰り返し流れる本作ですが、カンヌのドビュッシー劇場が初上映の場になるとは夢にも思っていませんでした。物語のインスピレーションを与えてくださったハンバート ハンバートさん、ずっと力強く背中を押し続けてくださった池松さん、そして、共にこの映画を作り上げてくださった皆さん。ここまで連れてきていただき、心から感謝しています。
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