【第96回アカデミー賞】「オッペンハイマー」キリアン・マーフィが主演男優賞を初受賞
2024年3月11日 11:00
第96回アカデミー賞(2024)の授賞式が3月10日(現地時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、「オッペンハイマー」(3月29日公開)のキリアン・マーフィが主演男優賞を初受賞した。
クリストファー・ノーラン監督がメガホンをとった本作は、原子爆弾の開発に成功したことで「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材に描いた歴史映画。2006年ピュリッツァー賞を受賞した、カイ・バードとマーティン・シャーウィンによるノンフィクション「『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」を下敷きに、オッペンハイマーの栄光と挫折、苦悩と葛藤を描く。マーフィはオッペンハイマーを演じた。
マーフィはノーラン監督や「オッペンハイマー」のチームに「ワイルドでクリエイティブな旅に出ることができました」と感謝を伝えてから、家族らの名前を挙げて「本当に愛しています。アイルランド人として誇らしく思っています」とスピーチ。
最後に、「私たちは原爆を作った男についての映画を作りました。良くも悪くも、私たちは皆オッペンハイマーの世界に生きています。この映画を、和平を構築する人々に捧げたい」と結び、会場から大きな拍手が上がった。
マーフィは1976年生まれ、アイルランド・ダグラス出身。「28日後…」(02)で国際的にブレイクし、「プルートで朝食を」(05)、「麦の穂をゆらす風」(06)、「サンシャイン2057」(07)と着実にキャリアを積む。
ノーラン監督作品では「バットマン ビギンズ」で悪役スケアクロウを演じ、続く「ダークナイト」「ダークナイト ライジング」でも同役を演じた。その後も「インセプション」「ダンケルク」など、複数のノーラン作品に出演している。
なお、マーフィを「オッペンハイマー」の主役に決めたノーラン監督は、「君が主役になる時が来たんだ。君は自分の才能の全てをかけてある人物になり、これまでにないやり方で自分を試すんだ」と伝えたという。
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