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吉沢亮、稀代の女方歌舞伎役者に! 吉田修一「国宝」映画化で李相日監督と初タッグ

2024年3月5日 05:00

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主演を務める吉沢亮
主演を務める吉沢亮

人気作家・吉田修一氏の最高傑作と呼び声の高い「国宝」が李相日監督のメガホンで映画化されることになり、俳優の吉沢亮が主演を務めることが明らかになった。

李相日監督が、吉田氏の小説を映画化するのは「悪人」「怒り」に続き3度目。2018年に単行本化された「国宝」は、吉田氏自身が3年間にわたり歌舞伎の黒衣をまとい、楽屋に入った経験を血肉にして書き上げた渾身の作品。作家生活20周年記念作として、4年の歳月をかけて仕上げた上下巻800ページを超える大作だ。

画像2(C)吉田修一『国宝』(上 青春篇/下 花道篇)朝日文庫

吉沢が演じるのは、任侠の一門に生まれながら数奇な運命をたどり、歌舞伎役者の家に引き取られる喜久雄。「キングダム」や「東京リベンジャーズ」といった話題作への出演のほか、NHK大河ドラマ「青天を衝け」で13~91歳の渋沢栄一を演じ切った吉沢が、30歳となった節目の年に芸の道に青春を捧げ、激動の時代を生き抜き、やがて国の宝となる稀代の女形歌舞伎役者に挑む。

この壮大な叙事詩を描くにあたり、踊りの経験がなかった吉沢は真っ直ぐ歩くことから稽古を始め、すり足での歩行、正座の仕方、扇子の持ち方など基本動作から学んでいったという。稽古初日には、まっすぐ歩くことだけで終わったようだが、他の仕事をセーブすることでクランクインのギリギリまで歌舞伎の稽古に明け暮れ、息吹を注ぐ喜久雄に近づけるよう準備に余念がない。

画像3(C)吉田修一『国宝』(上 青春篇/下 花道篇)朝日文庫

李監督との仕事に並々ならぬ意欲をのぞかせる吉沢は、「『悪人』ではただただ視聴者として感嘆し、『怒り』ではオーディションの参加者として、何も出来なかった自分への苛立ち、完成を観てのどうしようも無い昂まりと悔しさ。そして『国宝』では当事者としてなにを思うのでしょう」と思いを馳せる。そして、「稀代の女方を演じると言う、途方もない挑戦ではございますが、その挑戦の先に見える景色が何よりも美しいものである事を信じて。日々精進です」と締め括り、強い覚悟をうかがわせた。

吉田原作3本目となる李監督とともに「国宝」に対峙するのは、故相米慎二監督作「お引越し」(93)で脚本家デビューし、「八日目の蝉」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨の雪」などで知られる脚本家の奥寺佐渡子。前後編におよぶ長編大作をどのように脚本に落とし込むのかに注目が集まる。

撮影は3月からスタートし、6月にクランクアップ予定。25年に公開を予定している。

画像4

なお、原作の吉田氏、李監督、吉沢のコメント全文は以下の通り。

吉田修一
悪人」「怒り」、そして「国宝」へ。
夢が叶う。三たび、信頼する李相日監督に自作を預けられる喜びにあふれている。
そしてもう一つ、夢が叶う。「国宝」執筆中も書き終えてからも、ずっとあることを夢見ていた。無理は承知ながら、この稀代の女方・立花喜久雄の舞台を一度でいいからこの目で見てみたいと。
その夢が叶う。吉沢亮という稀代の役者を迎えて。
李相日監督
芸に身を捧げ、人生を翻弄される多彩な登場人物たちが織りなす豪華絢爛な歌舞伎の世界観。吉田さん渾身の作品を担う重圧に慄えが止まりません。小説刊行からの構想6年。言い換えれば、“覚悟“に要した年月です。決め手は、吉沢亮の存在。美しさと虚しさを併せ持つ妖艶なその存在感。役者として着実に成長し進化を遂げた今、まさに機が熟した宿命の出会いです。数多ある困難を超えた先に拡がる未知の世界に、関係者一同胸昂る思いです。
吉沢亮
吉田修一先生×李相日監督の3作目。
悪人』ではただただ視聴者として感嘆し、『怒り』ではオーディションの参加者として、何も出来なかった自分への苛立ち、完成を観てのどうしようも無い昂まりと悔しさ。
そして『国宝』では当事者としてなにを思うのでしょう。
稀代の女方を演じると言う、途方もない挑戦ではございますが、その挑戦の先に見える景色が何よりも美しいものである事を信じて。日々精進です。

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