山田涼介、「BAD LANDS バッド・ランズ」で初共演の安藤サクラは「超いい人！」

直木賞作家・黒川博行氏による小説「勁草」（読み方：けいそう）を映画化した本作は、安藤と山田が特殊詐欺を生業とする姉弟役を演じたクライムサスペンス。大阪で特殊詐欺に手を染める橋岡煉梨（安藤）と弟の矢代穣（山田）は、ある夜、思いがけず3億円もの大金を手にしたことから、2人はさまざまな巨悪から狙われることとなる。

大勢の観客で埋まった劇場内には、レッドカーペットのランウェイを設置。観客の期待が最大限に高まる中、登壇者たちがランウェイにやってくると歓喜に沸いた会場内。登壇者たちも客席に向けて気さくに手を振るなど、会場は華やかな雰囲気に包まれた。そしてステージに登壇した安藤は、「今日は一日ずっと、山ちゃん（山田）とこの作品の取材を受けていたんですけど、インタビューを受ければ受けるほど、なんてステキな現場だったんだろうというのをすごくかみ締めていています」としみじみ語ると、映画を鑑賞したばかりの観客に「どうですか？」と質問。観客からは万雷の拍手がわき起こった。

一方の山田も「原田監督とは（「燃えよ剣」に続き）2度目の作品をご一緒できたということで本当にうれしく思いますし、毎日が本当に刺激的で。安藤さんとはずっと、この作品の現場で共にいましたが、安藤さんをはじめステキなキャストの皆さんと一緒にお芝居ができたことが、僕のこれからの力になるなと思っています」と晴れやかな顔を見せると、「撮影したのは2年ほど前の寒い時期だったんで、今の時期に公開するというのが自分としては不思議な感覚です」と感慨深い様子を見せた。

山田とは本作が初共演となる安藤は、「最初にご一緒できると聞いて。しかもバディということで、すごく楽しみになりました。きっと自分も知らない自分の芝居に出会えるんじゃないかなという期待をもって、共演に挑みました。そうしたらまあなんと、穣が魅力的なことでしょう！」と語ると、山田も「安藤サクラさんと一緒にお芝居ができる現場なんて。そんな楽しい現場はないだろうと思い、バディをやらせていただきました」とコメント。さらに「ひと言で言うと、超いい人！　飾ることなく、自分のペースがある。だから安藤さんといると、安藤さんの空気感になるというか。なんだか朗らかな空気が流れるくらい、安藤さんワールドみたいなものがあって。監督も自由にやらせてくれる監督なので、安藤さんとする芝居は本当に楽しかったですね」と付け加えた。

そして「大金を手にした姉妹の行方は天国か、地獄か」という本作にちなみ、「本作の撮影中に感じられた天国な瞬間、あるいは地獄な瞬間は？」という質問も。それに対して山田が、本作の劇中で原田監督とタッグを組んだ「燃えよ剣」の池田屋をオマージュしたシーンが登場することを踏まえ、「『燃えよ剣』のセットでつかった池田屋があったと思うんですが、そこで『懐かしい感じがする』というセリフを言えた時が、監督の遊び心と愛を感じたシーンだったので、天国だなと思いました」としみじみ語るひと幕もあった。

さらに原田監督が「“Badlands”（映画「地獄の逃避行」の原題）というのはテレンス・マリックの映画からとっているんですけど、同じテレンス・マリックでも『天国の日々』という映画があるんですが、毎日が楽しかったですね。むしろ『天国の日々』というタイトルにすれば良かったなというくらい毎日が楽しかった。やはり役者たちのエネルギーがすごくて。スタッフもすごく頑張ってくれたし。だからわりと現場ではおとなしかったですね」と振り返ると、“原田監督は厳しい”と思っていたという生瀬が衝撃を受けたような「え！」という表情をし、会場は大笑い。原田組は3本目となった吉原が「これでもおとなしい方です」とフォローを加えるなど、和気あいあいとした様子でイベントはすすめられた。

最後に登壇者を代表して安藤が「私はこの作品の台本を手にして、この役に出会って。久しぶりに心が震えました。この役との出会い、この作品のとの出会いというのは、そうそうないもので、全身と心が震える感じ。それは近くで山田くんとお芝居をしていても、作品を見ても、山田涼介と穣の出会いというのも、これから映画の歴史に残るような役との出会いじゃないかなと感じていて。とにかく原田監督が描く、このいろんな味わいのあるエンターテインメントを、たくさんの方に観ていただきたい気持ちがあります。何より、皆さまの役柄の生きざまをより多くの方に届けたいと思います」と決意のコメントを寄せた。

「BAD LANDS バッド・ランズ」は9月29日より全国公開。