パリオペラ座、マリオン・バルボーの映画初主演作、C・クラピッシュ最新作「ダンサー イン Paris」9月15日公開
2023年6月27日 16:00
パリ・オペラ座、マリオン・バルボーの映画初主演作で、「スパニッシュ・アパートメント」 「パリのどこかで、あなたと」のセドリック・クラピッシュ最新作「EN CORPS」が、「ダンサー イン Paris」の邦題で9月15日から公開される。このほどポスター、場面写真、予告編が披露された。
エトワールになる夢の実現を前に予期せぬ出来事によって挫折してしまう、ひとりの若き女性ダンサーの第二の人生を描いたドラマ。
思春期の頃から一観客としてダンスへの情熱を燃やし続け、監督としては 2010年にパリ・オペラ座バレエのエトワールであるオーレリ・デュポンのドキュメンタリー「オーレリ・デュポン 輝ける一瞬に」を完成させたクラピッシュ監督。その後もパリ・オペラ座からの依頼で定期的にステージを撮影していたが、コロナ禍でパフォーマンスの場を失くしたダンサーたちが自宅で撮影した映像を編集し、「Dire merci(メルシーと言うこと)」という4分間の映画を作り上げた。この作品をきっかけに、ついに本作で「いつかダンスをテーマとしたフィクション映画を作る」という20年来の構想を実現させた。
主人公のエリーズを演じるのは、パリ・オペラ座バレエのプルミエール・ダンスーズで、クラシックとコンテンポラリーを自在に行き来するマリオン・バルボー。ダンスシーンに一切のスタントを使わないと決意したクラピッシュ監督が主演に抜擢した逸材だ。
オープニングから圧倒するのは、セリフ無しで展開する15分間のバレエシーン。バルボーが踊るのは「ラ・バヤデール」。舞姫(バヤデール)ニキヤが恋人に裏切られる物語だ。バルボーは恋人の不実を目撃したエリーズの衝撃と哀しみをニキヤに重ね合わせ、胸に迫る見事なダンスを踊る。さらに、自らの手で人生の第二章を切り開こうとするエリーズの心情を、誰もが共鳴できるように繊細かつリアルに演じた。
エリーズが出会うダンスカンパニーの主宰者に、コンテンポラリー界の奇才として名を馳せるホフェッシュ・シェクターが本人役で出演。代表作「ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット」を振り付ける過程にカメラが密着し、ダンサー一人一人の肉体に刻みつけられた体験、魂に眠る感情を引き出し、作品へと昇華させていく姿をドキュメンタリーのように追いかけ、トニー賞にノミネートされた振付家の創作の秘密に迫る。完成した舞台はラストで披露され、自身の第二のスタートを祝福するようなエリーズのダンスが、観る者の全身に生命力を注ぐ。
さらに、エリーズが惹かれるダンサーとして、フランス出身のメディ・バキが出演。コンテンポラリーとブレイキンを融合したパフォーマンスで魅了する。またエリーズの父親には「12か月の未来図」のドゥニ・ポダリデス。数々の名言をエリーズに贈るレジデンスのオーナーには「サン・ジャックへの道」のミュリエル・ロバン。間抜けなところが愛らしいエリーズの理学療法士には「パリのどこかで、あなたと」のフランソワ・シビル。脇を固める個性派のフランス俳優たちが物語にユーモアを添える。
パリ・オペラ座バレエ団で、エトワールをめざす主人公のエリーズ。幼少期からバレエ一筋の日々を送ってきた彼女だったが、夢の実現を目前に恋人の裏切りから心乱れ、本番中に足首を負傷。医師から踊れなくなる可能性を告げられる。踊ることを半ば諦め、新しい生き方を模索する失意のエリーズだったが、そんななか料理のアシスタント係の仕事で訪れたブルターニュで、今を時めく注目のダンスカンパニーと出会う。これまでのバレエとは違う、独創的なコンテンポラリーダンスが生み出される過程を目撃し、やがて誘われるまま練習に参加したエリーズは、未知なるダンスを踊る喜びと新たな自分を発見していく。
9月15日から、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開。
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