「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ」予告編完成 濱口竜介、三宅唱、石橋英子のコメント公開
2023年5月16日 17:00

「インディペンデント映画の父」と称された孤高の映画作家ジョン・カサベテスの特集上映「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ リプリーズ」の予告編(https://youtu.be/o7Khhg-Otaw)、濱口竜介らのコメントが公開された。また、シアター・イメージフォーラムでの上映スケジュールも決定した。
ジャン=リュック・ゴダールやマーティン・スコセッシ、ビム・ベンダース、ジム・ジャームッシュといった世界の巨匠たちから敬愛された唯一無二の映画監督カサベテス。ハリウッドの商業主義に対抗し、公私ともに最良のパートナーである女優ジーナ・ローランズや信頼できる仲間たちと「自分の撮りたいものを撮る」という信念のもと、自身の俳優活動で得た収入を注ぎ込んで映画を製作し、インディペンテント映画の可能性を知らしめた。
今回の特集では、カサベテス監督作品11本の中から「アメリカの影」(59)、「フェイシズ」(68)、「こわれゆく女」(74)、「チャイニーズ・ブッキーを殺した男」(76)、「オープニング・ナイト」(77)、「ラヴ・ストリームス」(84)といった代表作6本を上映。「ラヴ・ストリームス」に関しては 2Kレストア素材を今回のためにDCP化し、初めて劇場で公開する。

予告編は、「ラヴ・ストリームス」から始まり、「アメリカの影」でチャールズ・ミンガスとともに音楽を務めたシャフィ・ハディのサックス・ソロに合わせて各作品を紹介している。映画監督の濱口竜介は「ジョン・カサヴェテスの映画を見てしまった人生と、見なかった人生。幸福なのはどちらか、わからない。しかし見たことを後悔した日は1日たりともない」、映画監督の三宅唱は「カサヴェテスの映画をみるといつも高熱のような強い感情に浮かされます。できるならそれを書きたいけれど言葉が追いつかない。だからもう一度見たくなるしうっかり自分でも映画を作りたくなってしまう」、音楽家の石橋英子は「できれば避けて通りたい事がクローズアップされ、その破れ目が映画そのものを呑み込む。他者は自分の幻影、また自分自身も他者の幻影、そこから抜け出す為にはボコボコにし合うしかないのか」とコメントを寄せている。
「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ リプリーズ」は、6月24日から7月21日まで渋谷のシアター・イメージフォーラムにて開催。
ジョン・カサヴェテスの映画を見てしまった人生と、見なかった人生。幸福なのはどちらか、わからない。しかし見たことを後悔した日は1日たりともない。
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