ジョン・カサベテス「こわれゆく女」など5作品が日本最終上映 8月に特集開催
2020年7月10日 18:00

[映画.com ニュース]2012年に映画ファンを熱狂させた特集上映「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ」で上映された5作品の国内上映権の終了間近に伴い、アップリンク3館で日本最終上映の開催が決定した。
1989年に59歳で逝去し、「インディペンデント映画の父」と称されるジョン・カサベテスは、ハリウッドの商業主義に対抗し、公私ともに最良のパートナーである女優ジーナ・ローランズや信頼できる仲間たちと「自分の撮りたいものを撮る」という信念のもと、自身の俳優活動で得た収入を注ぎ込んで映画を製作し、インディペンテント映画の可能性を知らしめた。ジャン=リュック・ゴダールやマーティン・スコセッシ、ビム・ベンダース、ジム・ジャームッシュといった世界の巨匠たちから敬愛され、近年ではグレタ・ガーウィグやヤン・イクチュン、濱口竜介など目覚ましい活躍を見せる若手監督たちにも影響を与えている。
今回の日本最終上映では、カサベテスの監督作11本の中から代表作5本を一挙に上映。マンハッタンで暮らす若者たちのありのままの姿をシナリオなしの即興演出で作り上げた監督デビュー作「アメリカの影」(59)、中流アメリカ人夫婦の破綻した関係が崩壊へと至るまでの36時間を描き、ベネチア映画祭で最優秀監督賞を受賞した「フェイシズ」(68)、壊れかけた家庭を繋ぎとめようとする夫婦愛を描き、アカデミー賞主演女優賞、監督賞にノミネートした「こわれゆく女」(74)、フィルム・ノワールの雰囲気が漂う異色のサスペンス「チャイニーズ・ブッキーを殺した男」(76)、そして、有名女優の舞台前の極限の緊張を描き、ジーナ・ローランズがベルリン映画祭主演女優賞を受賞した「オープニング・ナイト」(77)というラインナップだ。
本特集で上映する5作品は日本国内での上映権が終了するため、スクリーンでの上映は今回が最後の機会となる。「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ」日本最終上映は、8月14日からアップリンク渋谷、8月28日からアップリンク吉祥寺とアップリンク京都で開催。
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