チャイニーズ・ブッキーを殺した男
劇場公開日:2012年6月2日
解説
ジョン・カサベテス監督による異色のフィルムノワール。場末のストリップクラブを経営するコズモは、店の借金を完済した矢先にポーカー賭博でボロ負けし、マフィアに莫大な借金をつくってしまう。返済の見込みがないコズモに、マフィアは借金帳消しの条件としてある仕事を持ちかける。それは、敵対組織のボスであるチャイニーズ・ブッキーを殺すことだった。カサベテス監督の盟友ベン・ギャザラが、主人公を哀愁たっぷりに演じる。
1976年製作/134分/アメリカ
原題:The Killing of Chinese Bookie
配給:ザジフィルムズ
日本初公開:1993年3月
スタッフ・キャスト
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2021年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
若い頃は全く魅力がわからなかったカサヴェテス作品。でもこれが20年経つと自分でも驚くほどのめり込んでしまうのだから不思議なものだ。とりわけ私が衝撃を受けたのが本作である。やはりセリフで筋書きを説明する野暮は一切しない。相変わらず、俳優の動きや表情、些細なやり取りから話の輪郭線を浮かび上がらせるやり方だ。そこに今回はもう一つの要素として”ハードボイルド”が加わる。ストリップ劇場のショーを取り仕切る支配人でありながら、借金がかさみ、殺人を強いられる主人公。そんな崖っぷちまで追い込まれた男が、最後までショーの芸術性を気にかけ、芸術家精神を貫こうとする。彼の心境はおそらく娯楽性と芸術性の間で揺れるカサヴェテス本人のものでもあるのだろう。映し出されるショーが笑ってしまうほどのクオリティであることも巡り巡って胸を鷲掴みにする決定打となる。この歳になってカサヴェテスの面白さに泣かされるとは思わなかった。
2021年4月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
この時代の空気感を感じる為に、配信ではなく本当は古びた映画館で観たかったです。私が小さな頃に観た刑事ものやヤクザもののテレビドラマは、カサヴェテスの影響を受けてそうだな。ストリップクラブ経営の主人公の生き様に男の美学が溢れているので、男性が好みそうな作品です。フィルムはやはりカッコ良いです。
2020年5月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
自分の城であるストリップ・クラブを命を懸けて守る男の話
パッと見はカッコ悪いが、自分の美学を貫き通す生きざまは、惚れ惚れするほどカッコいい。
時代遅れの生き方かもしれないが、こんな風に生きたいと思うし、こんな人が報われてほしいと思う。
映画の作りとしては、説明が極端に少なかったり、意味がわからない長回しがあったりと一筋縄じゃいかない作りになっているが、登場人物の表情や仕草などから読み取る言葉にならない感情の方に重点がおかれていてとても良かった。
2019年11月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
オープニングとエンディングロールが最高にカッコ良くて、それだけで魅了される。
ギャング物かと思いきや、イメージしていたようなドンパチがある訳でも無く、核となる場面を間に挟み、後は淡々と地味に進む印象はあるが、全体的に雰囲気が好みで渋い。
面白味がイマイチ解らないショーや、意味が無いように映るシーンも含めてカサヴェテスの長回しが、観ていてクセになってくる。
騙し討ちにする組織や"チャイニーズ・ブッキー"含めたギャングに主人公の"コズモ"と背景が解らないまま、最後まで不穏な空気を醸し出す残り香が!?