生田斗真、“渇水”の映画なのにゴリゴリの雨男パワー発揮!?
2023年5月11日 21:04

白石和彌監督が初プロデュースを手がけ、生田斗真を主演に迎えた人間ドラマ「渇水」の完成披露試写会が5月11日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、生田斗真、門脇麦、磯村勇斗、山崎七海、柚穂、尾野真千子、白石和彌プロデューサー、高橋正弥監督(※高は、はしごだか)が来場した。
故河林満さんが1990年の文學界新人賞を受賞し、第103回芥川賞候補となった同名小説を映画化。心の渇きにもがく水道局職員の男が幼い姉妹との交流を通して生きる希望を取り戻していく姿を描く。
本作は、2021年の8月から9月にかけて群馬で撮影。登壇者たちは、久しぶりの再会となった。まずは生田が「本当に自信を持ってお届けできる作品がようやく完成したと思っております。こんなすばらしい豪華なメンバー、そして監督の熱い思いからはじまった映画です。この日を迎えることができて、本当にうれしく思います」とあいさつした。

本作は高橋監督が12年という期間をかけて完成させたもの。「1990年のバブル期という、日本中が裕福で、お金もいっぱいあった時代の話ですが、その裏でいろんな格差社会とか貧困を描いている小説がありまして。それを読んで、10年、20年、そして30年たった2020年代にもそういったものがなくなっていないことに非常に深い思いを抱き、これを映画にしたいと思いました」と高橋監督がその思いを語ると、白石プロデューサーも「脚本を読ませていただいて、本当にすばらしい脚本でした。これが映像化できないというのはもったいないなと思いまして。この作品を世に出して、どんな感想をいただけるのかというのを、僕自身が観てみたいと。僕は何をやったわけではないですが、何か一歩でも世に出るお手伝いをさせていただけたらと思いました」と振り返った。


蒸発した父、帰らなくなった母に取り残され、ライフラインである“水”を止められる困窮家庭の姉妹を演じた山崎と柚穂には脚本をわたさず、その日に高橋監督が撮影の内容を口伝えし、その場で芝居をするという演出スタイルを行った。
生田も「だからある日、(水道局に勤める男を演じた)僕と磯村がやってきて、水道を止めますと言われても分からない状況だった。すごくリアルな、生々しいお芝居が求められていたので。彼女たちのシーンが浮かないように、全体的に生っぽい芝居が求められました」と述懐。
さらに子役たちのリアルな芝居を引き出すために「監督やプロデューサーが、あの子たちとしゃべっちゃダメだという罪なことを言うんですよ」と続けた生田は、「でも彼女たちはそれを知らないから。無邪気に学校でこんなことがあったとか、宿題がこんなのがあってとか言ってくるんだけど、しゃべっちゃダメと言われているから。(そっけなく)そうなんだ、という感じで。何か罪なことをしている、申し訳ないなという気持ちはありましたけど、裏を返すと水道局員が執行停止する痛みは似たようなものがあるのかなと思いました」と苦笑いだった。

生田というとしばしばその“雨男”ぶりが話題となるが、本作の撮影中もやはり雨の日が多かったという。
生田「『渇水』という、いつになったら雨が降るんだという映画なのに、撮影中ずっと雨だと、その原因は生田斗真のせいじゃないかとさっきも言われて。麦ちゃんなんか撮影できなくて。(群馬と東京を)3往復した」
完成披露試写会が行われたこの日も、雷雨を伴う大雨が降っていたこともあり、期待を裏切らない“雨男”ぶりを発揮。生田は「どうしよう、これが公開するのが6月2日。雨が降るぞ、気をつけろ」と冗談めかし、会場を沸かせた。
そんな雨が多かったという現場だが、山崎と柚穂が晴れを祈願して、高橋監督のためにてるてる坊主を作ったという。高橋監督がそのてるてる坊主を披露すると、思わず生田も「二人が晴れるようにつくってくれたんだ。ごめんね、雨男パワーがゴリゴリで」とざんげするも、柚穂が「全然平気です」と笑顔で返し、会場を沸かせた。

また本作は、白石監督の提案により16ミリフィルムで撮影されている。「水を表現するのと、太陽の光とか、熱いものを表現するのに16フィルムが非常に適していて。ぜひフィルムで撮るべきだと提案していただきました」という高橋監督に、白石プロデューサーも「渇いた感じもそうだし、原作が90年代なのでそのテイストを形にできないかなと思って。その粒子感や、水のあいまいさは16ミリで撮影した方がいいのではと提案しました」と述懐。門脇も「フィルムはテンションあがりますよね」と笑顔。さらに生田も「こういったフィルムで撮影した映画も昨今、なかなか映画館で観る機会がない。貴重な経験なので、ぜひ大きなスクリーンで、すばらしい経験をしてほしいなと思います」と会場に呼びかけた。
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