【第46回日本アカデミー賞】「ある男」妻夫木聡が最優秀主演男優賞 頼りにした山田洋次監督からの言葉を明かす
2023年3月10日 22:15

第46回日本アカデミー賞の授賞式が3月11日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われ、「ある男」の妻夫木聡が最優秀主演男優賞に輝いた。
妻夫木は第34回の日本アカデミー賞で「悪人」で最優秀主演男優賞、第40回には「怒り」で最優秀助演男優賞を受賞している。
「ある男」では、3度目となった石川慶監督作品への主演で、人権派弁護士の城戸を演じた。戸籍を偽り偽名のまま亡くなったある男の身元調査を行い、その真相と戸籍交換の実態に迫る一方、城戸自身も在日韓国人三世という出自に対する偏見に苦しめられてきたことが明らかになっていく。
事前のインタビューでは、役作りとして実際の弁護士に取材をしたほか、裁判の傍聴などを行ったことを話し、「弁護士の方に『いろんなタイプの弁護の仕方があるんですね』って言ったら、『僕も今こういう風に妻夫木さんに接していますが、今の僕もいつもの僕とはまた違いますよ』って言われたときに、人にはいろんな顔があって、そのなかの一つのチョイスが今の顔なんだっていう捉え方が腑に落ちたんです」と明かす。

プレゼンターの西島秀俊から名前を呼ばれ、壇上に上がると「どうしよう、本当に何も考えていなかった。まさかいただけるとは思っていなかったので」と驚きの表情。「人間にはいろんな顔があるよなって自分のなかで腑に落とせてからは、山田洋次監督に『妻夫木くん、“在る”ってことが大事なんだよ』って言われたことを思い返しました。その言葉を頼りにこの役を演じさせてもらいました。この場に在るということ、存在することを大事にしました」と語る。最後には「僕は日本映画が大好きです。これからも日本映画を盛り上げていけるよう、また皆さんと一緒に仕事ができたら嬉しいです」と呼び掛けていた。
なお、優秀主演男優賞は阿部サダヲ(「死刑にいたる病」)、大泉洋(「月の満ち欠け」)、二宮和也(「ラーゲリより愛を込めて」)、松坂桃李(「流浪の月」)が受賞した。
(C)2022「ある男」製作委員会
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