スピルバーグ監督が撮影で「我を忘れた」自伝的作品 「フェイブルマンズ」あらすじ・キャスト・トリビア
2023年3月10日 12:00
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3月12日(現地時間:日本時間は13日)に開催される第95回アカデミー賞授賞式。作品賞にノミネートを果たした「フェイブルマンズ」は監督賞、主演女優賞、助演男優賞、脚本賞、美術賞、作曲賞の候補にもあがっています。
映画.comでは、同作の概要&あらすじ、キャスト、トリビアをまとめました。本記事でしっかりと予習を行ってから、興奮必至の授賞式に臨みましょう!
[概要&あらすじ]
[評価]
[スタッフ&キャスト]
[トリビア1]企画の始まりは、「ミュンヘン」撮影中に交わされたある会話
[トリビア2]特別な感情がこみ上げ、スピルバーグ監督が「我を忘れた」撮影現場
[トリビア3]タイトル「フェイブルマンズ」にこめられた意味
[トリビア4]スピルバーグ監督に影響を与えた映画
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「ジョーズ」「E.T.」「ジュラシック・パーク」などで知られる巨匠スティーブン・スピルバーグが、映画監督になるという夢を叶えた自身の原体験を映画にした自伝的作品。
初めて映画館を訪れて以来、映画に夢中になった少年サミー・フェイブルマンは、母ミッツィから8ミリカメラをプレゼントされる。家族や仲間と過ごす日々のなか、人生の一瞬一瞬を探求し、夢を追い求めるサミー。母はそんな彼の夢を支えてくれるが、父バートは単なる趣味としか考えていなかった。サミーは両親の間で葛藤しながら、さまざまな人々との出会いを通じて成長していく。
・第28回クリティックス・チョイス・アワード(新人俳優賞)
・第80回ゴールデングローブ賞ドラマ部門(作品賞、最優秀監督賞)
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:スティーブン・スピルバーグ、トニー・クシュナー
撮影:ヤヌス・カミンスキー
美術:リック・カーター
衣装:マーク・ブリッジス
編集:マイケル・カーン、サラ・ブロシャー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
ミシェル・ウィリアムズ(ミッツィ・フェイブルマン)
ポール・ダノ(バート・フェイブルマン)
セス・ローゲン(ベニー・ローウィ)
ガブリエル・ラベル(青年期/サミー・フェイブルマン)
ジャド・ハーシュ(ボリス伯父さん)
ジュリア・バターズ(レジー・フェイブルマン)
キーリー・カルステン(ナタリー・フェイブルマン)
ジーニー・バーリン(ハダサー・フェイブルマン)
クロエ・イースト(モニカ)
サム・レヒナー(ローガン)
オークス・フェグリー(チャド)
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本作の始まりは、スピルバーグ監督と、劇作家で脚本家のトニー・クシュナーが、「ミュンヘン」撮影中、2005年秋に交わしたある会話だった。撮影で使う爆薬をセットに配線している待ち時間、クシュナーは「いつ映画監督になろうと決めたのですか?」と質問。スピルバーグ監督は「秘密を教えよう」と、本作の核となる物語を語り始めたのだという。
ふたりは「ミュンヘン」で初タッグを組んだあと、「リンカーン」「ウエスト・サイド・ストーリー」を作り上げた。ふたりはともに過ごした16年以上の時間のなかで、スピルバーグ監督の青春期について語り合い、脚本のために題材を集めていった。
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両親の死や新型コロナウイルスのパンデミックなどを経て、スピルバーグ監督は「この物語を語らずにキャリアを終えるなんて、想像すらできない」という並々ならぬ思いで、撮影にとりかかった。
撮影初日の舞台は、米アリゾナ・フェニックスにあるスピルバーグ監督の実家を再現したセット。スピルバーグ監督は、セットを回ったときのことを、「喉に塊がこみ上げてきた」と感慨深げに振り返る。さらに、自身の両親を演じたミシェル・ウィリアムズとポール・ダノの姿を目にしたとき、特別な感情がこみ上げたという。
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「ミシェルとポールが一緒にいるのを見たとき、一瞬何もかもがスローモーションのように見えた。交通事故に遭ったかのように。やがてミシェルもポールも見えなくなった。見えたのはリアとアーノルド、母と父だ。我を忘れた。するとありがたいことに、ふたりが近寄ってきて、私を抱きしめてくれたんだ。それから3人で抱き合った。それが美しい友情の始まりだった」
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スピルバーグ監督は、劇中の家族の面々に、サミー、母ミッツィ、父バートなどの名前を与えた。ファミリーネームである「フェイブルマン」を思いついたのは、クシュナーだという。“スピルバーグ”という姓の英訳が、「play mountain」(芝居・山)であることとも考え合わせ、劇作家や演出家が戯曲をよりよく理解してもらうため、その解釈を強調して書いた要約を表す「fable」(フェイブル)という演劇用語に行きついた。
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本作の冒頭、サミーと映画の出合いが描かれる眩いシーンには、スピルバーグ監督の映画愛が込められている。1952年、「暗いところなんかイヤだ」と怖がるサミーを、両親は初めて映画館へと連れて行く。そこで一家が見るのは、セシル・B・デミル監督が、“世界最大のサーカス”として知られていたサーカス団の協力で作り上げた「地上最大のショウ」。サーカス内での人間模様や恋が描かれる物語のなかで、サミーはスペクタクルな列車衝突事故のシーンに魅了される。
さらに成長したサミーは、ジェームズ・スチュワート、ジョン・ウェインが共演し、ジョン・フォード監督がふたりの男の友情を描いた「リバティ・バランスを射った男」(1962)を見て、映画づくりへの野心を燃やすことになる。
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劇中には、スピルバーグ監督に影響を与えたと思われる名作の数々が登場。さらに、スピルバーグ監督自身の「インディ・ジョーンズ」シリーズや、「E.T.」などを彷ふつとさせるシーンなどもちりばめられている。
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