リバティ・バランスを射った男

劇場公開日:

リバティ・バランスを射った男

解説

モンタナ州立大学教授ドロシー・M・ジョンソンが1949年に書いた同名小説をジェームズ・ワーナー・ベラとウィリス・ゴールドベックが共同脚色、「馬上の二人」のジョン・フォードが監督した異色西部劇。撮影は「馬上ー」と同じくウィリアム・H・クローシア、音楽はシリル・モックリッジが担当。出演は「コマンチェロ」のジョン・ウェイン、「馬上の二人」のジェームズ・スチュアート、「連邦警察」のヴェラ・マイルズほかにリー・マーヴィン、ウディ・ストロード、エドモンド・オブライエンなど。製作はウィリス・ゴールドベック。

1962年製作/アメリカ
原題:The Man Who Shot Liberty Valance
配給:パラマウント映画
劇場公開日:1962年8月7日

ストーリー

西部の小さな町シンボーンに老紳士夫妻が汽車から降りた。上院議員をつとめるランス・ストダード(ジェームズ・スチュアート)と婦人ハリー(ヴェラ・マイルズ)である。夫妻が来たのはトム・ドニファン(ジョン・ウェイン)という男の葬式につらなるためだった。この名もない西部男の葬式に今を時めく上院議員がなぜやってきたのか。かけつけた新聞記者に問われるままにランスは語り出した。--1880年代、大学で法律を学んだランスは青雲の志に燃え、東部から西部へやってきたが、途中、無法者リバティ・バランス(リー・マーヴィン)の一味に襲われ重傷を負った。彼は小さな牧場を経営する正義感で拳銃の名手トムに救われ、町の食堂へ運ばれた。食堂の経営者夫妻とその娘ハリーの看護でランスは傷を回復、お礼に皿洗いを手伝うことになった。ハリーとトムとは恋仲だった。当時この地方は合衆国の一部ではなく住民は州昇格を運動していたがこれに牧場主の一部が反対、バランスはその手先となって住民を脅かしていた。ランスは町の新聞社主ピーボディと協力、無法者一味と戦う決意を固めた。2人は州昇格運動代表を選ぶ町民大会で牧場主側の候補バランスを破って当選した。バランスはピーボディを半殺しにした。ランスは持ったことのない拳銃を握ってバランスと往来で対決した。まずランスが手を射たれた。が、彼はひるまず向かっていった。とどろく銃声。意外に倒れたのはバランスだった。このことがあってトムはハリーがランスを愛していることを知り、ハリーとの結婚のために作った部屋を自ら焼いてしまった。ワシントンに送る代表の選挙が行われた。リバティ・バランスを射った男としてランスは代表に選ばれた。が、暴力を否定する彼は人殺しを恥じて断った。が、そこへトムが現れ断る必要はないと言い、あのときバランスを射ったのは自分だと告げた。トムはハリーの頼みで横合いからバランスを射ったのだ。ランスはワシントンに出、出世し、ハリーとも結婚したのだった。夫妻は間もなくこの思い出深い町に永住しにくることを誓って去った。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第35回 アカデミー賞(1963年)

ノミネート

衣装デザイン賞(白黒) エディス・ヘッド
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写真:AFLO

映画レビュー

3.5多方面で絶賛の傑作。確かに面白くはあったが個人的にはそこまでは…。...

2023年6月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

多方面で絶賛の傑作。確かに面白くはあったが個人的にはそこまでは…。
キャスト、スタッフは豪華。暴力か法か、主人公2人がなんとも適役。映画的にもヒーロー西部劇の終焉を告げる作品とのこと、確かに。

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はむひろみ

3.5タイプの違うふたりの友情

2023年5月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ジェームズスチュアート扮するランスストッダード上院議員がジョンウェイン扮する友人のトムドニファンの葬式のためシンボーンにやって来たと言った。上院議員はトムドニファンについて語り始めた。
ジョンウェインとジェームズスチュアートの共演作品だね。リバティバランスとは強盗の名前だ。それに当時の人々の中には字が読めなかった者もいたんだね。巨悪のリバティバランスに挑戦しようというランスを導こうとするトムドニファン。タイプの違うふたりの友情と言うところかな。

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重

4.0心温まる西部の伝説。題名に大きな意味がある。

2023年3月3日
PCから投稿

アメリカ西部にある小さは町に
初老の夫婦がやってくる。
ふたりの顔には懐かしさと
寂しさが見える。

汽車から降りた夫婦は大歓迎される。
上院議員の男は次期 大統領候補。
妻はこの町で生まれ育った。

何故、夫婦はこの町に来たのか。
リバティ・バランスとは誰なのか。
その謎は次第に明かされてゆく。

友情と愛情の交差する映画。

ジョン・フォード監督が
その時代を生きる人々の
粋で情熱溢れる様を丁寧に描く。



ジョン・ウェインが良い。

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星組

5.0白いエプロンでの決闘

2022年8月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1962年。ジョン・フォード監督。押しも押されもせぬ大物政治家が西部の小さな町に帰ってくる。ある男の葬儀のためにお忍びできたという政治家に対して、新聞記者が無名のその男との関わりを聞き出すが、、、という話。回想の形で語られる西部開拓時代の法と暴力と民主主義の始まりの物語。そこに恋がからんでいく。
なんといってもエプロン姿のジェームズ・スチュワート。決闘までエプロンのまま。西部の野蛮で暴力的な男らしさとは対極の、理想を求める法と正義の人という表現なのだが、それが女性性をまとっているのが特徴。この表現がすばらしい。この作品によって「映画における白いエプロンの意味」があからさまになったといっても過言ではない。と多くの評者がいっている。
もちろん、回想だから結果が見えていて、わくわくどきどきということにはならないが、モノを投げたり置いたり手放したりすることを契機に画面と物語が転調していて、そのリズムはとても心地よい。蓮實大先生が指摘しているように。教科書らしき本を乱暴に机に置くヴェラ・マイルズとその後の展開を見よ。

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