「逆転のトライアングル」あらすじ・キャスト・トリビア 監督は“カンヌ史上3人目”の快挙を達成
2023年3月9日 18:00
3月12日(現地時間:日本時間は13日)に開催される第95回アカデミー賞授賞式。作品賞にノミネートを果たした「逆転のトライアングル」は、監督賞、脚本賞の候補にもあがっています。
映画.comでは、同作の概要&あらすじ、キャスト、トリビアをまとめました。本記事でしっかりと予習を行ってから、興奮必至の授賞式に臨みましょう!
[概要&あらすじ]
[評価]
[スタッフ&キャスト]
[トリビア1:カンヌ史上3人目の快挙!]
[トリビア2:あのシーンは監督の実体験]
[トリビア3:出演俳優が急逝 本作が遺作に]
「フレンチアルプスで起きたこと」「ザ・スクエア 思いやりの聖域」で知られるスウェーデンの鬼才リューベン・オストルンドが、ファッション業界とルッキズム、そして現代における階級社会をテーマに描く。
モデルでインフルエンサーとしても注目を集めているヤヤと、人気が落ち目のモデルのカール。美男美女カップルの2人は、招待を受けて豪華客船クルーズの旅に出る。船内ではリッチでクセモノだらけな乗客がバケーションを満喫し、高額チップのためならどんな望みでもかなえる客室乗務員が笑顔を振りまいている。しかし、ある夜に船が難破し、海賊に襲われ、一行は無人島に流れ着く。食べ物も水もSNSもない極限状態のなか、人々のあいだには生き残りをかけた弱肉強食のヒエラルキーが生まれる。そしてその頂点に君臨したのは、サバイバル能力抜群な船のトイレ清掃係だった。
人間に対する鋭い観察眼とブラックユーモアにあふれた作品で高い評価を受けてきたオストルンド監督。「フレンチアルプスで起きたこと」(14)で第67回カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞、「ザ・スクエア 思いやりの聖域」(17)が、第70回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞。そして2022年・第75回カンヌ国際映画祭で本作もパルムドール受賞。2作連続受賞監督はビレ・アウグスト、ミヒャエル・ハネケに続き3人目だった。
また、今年のカンヌ国際映画祭の審査委員長を務めることが先日発表され、パルムドールを2度受賞した監督が審査員長を務めるのはフランシス・コッポラ、エミール・クストリッツァに続き3人目。
デートの食事代、どっちが払う? は、まだ付き合いの浅いのカップルの多くが直面するプチトラブル。本作でも、人気が落ち目となったモデルのカールと、カールより収入のあるヤヤが、ディナーの後に口論になるシーンが。なんと、これは監督の実体験を基にしたと、インタビュー(https://eiga.com/news/20230302/4/)で語っている。
「あのレストランのシーンは、実際に僕がシーナ(監督の現パートナー)と経験したことから着想を得たんだ。まだ関係が始まったばかりの頃、僕は彼女にいいところを見せたくて、カンヌに招待した。初日の夜、2日目の夜、3日目の夜と、僕が夕食代を払ったところで思ったんだよ。まずい、思い切ってこの件について話し合いをしないと。彼女のことが好きすぎて、男がいつも支払うべきだとされている男女の役割に踏み込めていなかった、とね。
本作で描かれているのは、マルティネス・ホテルのエレベーターで僕たちが実際に繰り広げた口論なんだ。彼女は僕のシャツに50ユーロ札を突っこみ、僕は慌てて声をあげるんだけど、ひとり、部屋で腰を下ろした時に思ったんだ。『ああ、関係をぶち壊してしまった』って。でも、最後には彼女が戻ってきて、落ち着いて話し合ったんだ。本心をさらけ出し、お互いの弱いところも見せられるようになったおかげで、彼女とはもっと親しくなれたよ」
本作のカンヌ最高賞受賞のおよそ2カ月後、ヤヤを演じたチャールビ・ディーンさんが32歳の若さで急逝。死因は細菌感染症だったそうで、突然の死が大きく報じられた。ディーンさんは南アフリカ共和国出身、6歳から子役モデルとして広告やカタログで活躍の後、女優業にも進出し、ドラマ「ブラックライトニング」などに出演。本作では、インフルエンサー役として好演しており、抜きんでたスタイルと美貌を生かしたプロモデルとしてのウォーキングシーンも確認できる。
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