「かがみの孤城」と藤子・F・不二雄作品に共通する原恵一監督の演出に、辻村深月「ものすごく感動!」
2023年1月28日 13:00

辻村深月氏のベストセラー小説を劇場アニメ化した「かがみの孤城」のティーチインイベントが1月27日、都内で行われ、原恵一監督(「河童のクゥと夏休み」「カラフル」)と辻村氏が出席した。
本作は、学校で居場所をなくして部屋に閉じこもっていた中学生のこころが、見ず知らずの中学生6人と一緒に、迷い込んだ“鏡の中の城”で経験する出来事を描くファンタジーミステリー。
鑑賞後の観客からたくさんの反響を受け取っているという原監督は、原作者の辻村氏が喜んでくれたことがなによりうれしかったという。辻村氏は「思った通りの、こころの感情と孤城の仲間たちがそこにいました。原監督にお願いできて本当によかった」と最敬礼。「原監督のアニメーションを観ながら育ってきた」と幼少の頃から原監督のファンだったそうで、「原さんと、大人同士として一緒にお仕事ができたことがとてもうれしい。原監督が妥協なく、試行錯誤しているお仕事ぶりを間近で見られてうれしかった」と感激しきりだった。

会場からの質問にも答えたが、「登場人物たちのように、私も不登校だった。原作を読んだときに、とても救われた」という観客は「どうしてこんなにも、不登校の子の心情を明確に描けるんですか?」と問いかけた。辻村氏は「こころが見舞われたような出来事が、自分の身にあったわけではないんですが」と前置きし、「学校がものすごく楽しかったというタイプではない。学校がものすごく楽しくて、順風満帆という感じだったら、きっとこんなに学校を舞台にした小説を書いていないだろうなと思います。なにか大きな忘れ物をしてきたような気持ちがあるから、何度も青春小説や10代の子たちを書く小説に戻ってくるんだと思います」と明かした。
本作には「学校に行きたくない」という子どもに寄り添う大人の姿も描かれているが、原監督は「そういう大人や友達が周りにいるだけで、救われる子がいる。別にヒーローにならなくていいんです。でもちょっとだけ寄り添ってあげることはできる。皆さんもできることをやってくれるとうれしい。僕らは映画でそういうことを伝えたり、辻村さんは本を通してメッセージを送っている。それを受け取ったら、誰かにお裾分けしてくれたらとてもうれしい」と真摯な面持ち。辻村氏は「『かがみの孤城』を自分の話として理解してくれる監督だからこそ、この映画ができたんだと改めて感じた」としみじみと語っていた。

原監督は1984年にアニメ「ドラえもん」の演出としてデビューし、辻村氏も「映画ドラえもん のび太の月面探査記」で脚本を担当するなど、藤子・F・不二雄作品と縁が深い2人でもある。
フォトギャラリー
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

片思い世界
【“鑑賞確定”の超期待作】広瀬すず×杉咲花×清原果耶主演×「はな恋」製作陣…そして涙腺崩壊へ
提供:リトルモア

ミッキー17
【前代未聞のオール社畜レビュー】史上最凶のブラック仕事を描いた痛快作…社畜が観たらどうなった!?
提供:ワーナー・ブラザース映画

侍タイムスリッパー
【ついに見放題“最速”配信中!!!】観たかった人も、何度も観た人も今すぐ観て!【ネタバレ厳禁】
提供:JCOM株式会社

この村の住人は、人間を喰ってる――
【衝撃の問題作】異常なクオリティで世界が熱狂…“絶対的支持”の理由を徹底解説!
提供:ディズニー

観ないとぜっったい後悔する
【ラスト5分の破壊力】そして“観たことないシーン”のゲリラ豪雨に、感動を超えてもはや放心状態――
提供:東和ピクチャーズ

映画を安く観たい人、絶対にチェックして!
【映画2000円は高すぎる!!?】知らないと損な“1250円も安く観る裏ワザ”、ここに置いときます
提供:KDDI

厳選した名作“だけ”をあなたに。
【探す時間、ゼロ】家のテレビが「あなただけの24時間シアター」に!(提供:BS10 スターチャンネル)