「思い出のマーニー」声優の秘めたる思い トリビア解説も【金曜ロードショーで放送中】
2023年1月13日 21:05

スタジオジブリの「思い出のマーニー」が、1月13日午後9時から日本テレビ「金曜ロードショー」で、本編ノーカット放送(放送枠15分拡大)されています。宮崎駿監督、高畑勲監督が製作に一切かかわらない初のジブリ作品として知られる今作の見どころやトリビア、声優初挑戦となった高月彩良と有村架純がどのような気持ちで臨んでいたのかを振り返ってみようと思います。
第88回アカデミー賞の長編アニメ映画賞にノミネートされた「思い出のマーニー」は、米林宏昌氏の「借りぐらしのアリエッティ」以来4年ぶりの監督作。外部から美術監督(種田陽平)を招いたり、北海道が舞台になっていたりと“初もの尽くし”の作品としても知られていますが、原作はイギリスの作家ジョーン・G・ロビンソン氏の同名児童文学になります。

12歳の少女・杏奈は幼い頃に両親を亡くし、養父母に育てられた。あることをきっかけに周囲に対して心を閉ざしてしまった杏奈は、喘息の療養のため養母・頼子の親戚が暮らす海辺の村で過ごすことに。その村には入り江に面して建つ古い屋敷があり、杏奈は村の人が「湿っ地屋敷」と呼ぶその屋敷に心惹かれていく。夢の中にも出てくるようになった湿っ地屋敷には、何故か必ず金髪の不思議な少女の姿があった。純粋でひたむきな少女たちに訪れる、ひと夏の不思議な“運命の出会い”を綴る。

ふたりとも、300人規模のオーディションに参加し、大役を射止めました。どのような気持ちで臨んでいたのか、ふたりのコメントから振り返ってみましょう。
高月「このチャンスを無駄にしたらもったいない。絶対に受かりたいという気持ちでした。マネージャーさんにも『絶対受かります!』と断言して……。ただ、今年に入っても連絡がなかったので、『落ちたな』とへこんでいました。するとジブリさんから『もう一度来てください』と連絡をいただいて、そこで米林監督から『よろしくお願いします』と台本を手渡されて。一瞬、どういう意味かわかりませんでしたが、合格だと聞かされ、夢か現実かわからないくらいうれしかったです」
有村「その場で杏奈とマーニー、両方のキャラクター設定と、セリフの抜粋を手渡され、そこから自分がイメージするままに10分ほど役柄のお芝居をさせて頂きました。声優の経験はありませんが、自分なりにふだんより少し大きな感情表現をした覚えがあります。考えすぎて緊張するのもイヤなので、とにかく楽しんで、思いきりやろうと。合格したかどうか手応えというのは、私自身は何とも言えなかったですけど、思いきりやった分『これで年が越せるな』って思いました(笑)」
米林監督と西村義明プロデューサーは、高月に対して「彼女の声には問題がある」からこそ、起用を決めたと当時話しています。この言葉の真意は、高月の声に問題があるのではなく、この声の持ち主が映画の中で心を開放していったら深い感動を呼び込めるのではないか……という考えから起用が決まったといいます。一方、有村はデビュー間もない11年に「かぐや姫の物語」のオーディションを受けていたそうで、「当時は経験も少なくて、結果的に落ちてしまった。今回はリベンジという気持ちも少しはあったかもしれません」と当時、明かしてくれました。

米林監督は、「借りぐらしのアリエッティ」のあと、「もう1本撮りたい」と申し出ていたそうですが、今作に関しては一度オファーを断っていたと14年の公開当時に明かしています。
理由として、原作を読みアニメーションで描くことの難しさを感じたことを挙げています。しかしその後、イメージボードを描いてみたところ徐々に創作意欲が湧き、心が動いたようです。
今作は北海道を舞台に描かれていますが、原作が好きだった宮崎駿監督がイメージしていた舞台は瀬戸内だったそうです。
それでも、米林監督が抱くイメージに合わせて、最終的に北海道の釧路湿原をはじめ根室、厚岸などを舞台に製作されました。

森崎博之、安田顕、戸次重幸、大泉洋、音尾琢真の5人で構成される演劇ユニット「TEAM NACS」が、今作では目を見張るほどの活躍を見せています。
5人で実に、20人近いアフレコを担当。美術教師を森崎、寡黙な十一を安田、マーニーの父を戸次、山下医師を大泉、町内会役員を音尾が務めていますが、それ以外にも子どもを除いたサブの男性の役はほとんど5人でやり切りました。
最後まで観ることなく、途中退出が多いといわれる宮崎監督ですが、今作にいたっては最後まで鑑賞し、「麻呂(米林監督)はよく頑張った」と激賞していたそうです。
また、高畑監督もA4用紙2枚にわたる長文メールを西村プロデューサーに送ったそうで、米林監督の仕事ぶりを激賞していたといいます。
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