永野芽郁の生涯ベスト映画、最近感銘を受けた作品は?【あの人が見た名作・傑作】
2022年9月30日 21:00
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映画を見に行こうと思い立ったとき、動画配信サービスで作品を鑑賞しようとしたとき、何を見れば良いのか分からなかったり、選択肢が多すぎて迷ってしまうことは誰にでもあるはずです。
映画.comで展開する新企画「あの人が見た名作・傑作」は、そんな皆さんの映画選びの一助として、映画業界、ドラマ業界で活躍する著名人がおすすめする名作、傑作をご紹介するものです。第18回は、「マイ・ブロークン・マリコ」に主演した永野芽郁さんです。
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1999年9月24日生まれ、東京都出身。2016年8月より、ファッション雑誌「Seventeen」の専属モデルとして活躍。女優として、17年に「ひるなかの流星」で映画初主演を務める。18年には、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」でヒロインに抜てきされ、第43回エランドール賞新人賞を受賞。21年には、「そしてバトンは渡された」で第45回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、同作と「地獄の花園」で第46回報知映画賞、第64回ブルーリボン賞主演女優賞を受賞した。
そのほか、主な映画出演作は「俺物語!!」(2015)、「帝一の國」「ミックス。」(ともに17)、「君は月夜に光り輝く」(19)、「仮面病棟」(20)、「キネマの神様」(21)など。ドラマでは、「僕たちがやりました」(17)、「3年A組 -今から皆さんは、人質です-」(19)、「親バカ青春白書」(20)、「ハコヅメ~たたかう! 交番女子」(21)、「ユニコーンに乗って」(22)などに出演した。今後は映画「母性」が11月23日に公開予定のほか、Netflixシリーズ「御手洗家、炎上する」が23年に配信予定。
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すごく衝撃的で、印象的だったのが、人種差別をテーマにした「ヘイト・ユー・ギブ」です。18歳の頃に飛行機で見たんですが、俳優さんたちの芝居スキルが高すぎて、「どうしてこの人たち、こんなに表現力があるんだろう」という衝撃がありました。涙が止まらなかったです。けっこう泣いていたので、CAさんがティッシュを持ってきてくれました(笑)。
人種差別と闘う女子高生スターが主人公で、幼なじみの男の子といるところを、警察に止められるんです。ふたりが車から降ろされて、武器を持っていないか検査されているときに、男の子がジョークでヘアブラシを使って、「俺、かっこいいだろ?」という感じでスターを和ませようとするんですが、武器だと誤解されて射殺されてしまうシーンがあるんです。「こんな世界があるんだ」とリアルに感じて、衝撃を受けた記憶があります。
自分が見ている世界には限界があって、毎日もルーティン化されていきますが、そのなかに映画があるだけで、「そんな考え方があるのか、そんな風に生きている人がいるのか」と、旅をしているような気持ちになります。映画を通して、全く違う文化に触れられて、いろいろな感情に出合っています。
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スターを演じたアマンドラ・ステンバーグさんは1998年生まれで、年齢がひとつ上なんですが、「歳が近い方が、こんなにすごいお芝居をされるんだ」と、勝手に悔しくなったんです。「もっとうまくなりたい」と漠然と思いました。
また、「映画の世界でしかお会いできないけれど、この人の表現力は日常でも生かされている部分があるんだろうな」と思ったので、私も日々何かに感動し、感情を動かすことができる人になろうと思ったことを、覚えています。それほど演技が素晴らしくて、複雑なテーマのなかで、本当にその場所で暮らしていて、戦っている人を体現していたんです。弟役のT・J・ライトさんもすごく良くて、「その若さで、どうしてそんな涙の流し方や、間のとり方ができるんだろう」というお芝居をされていて、「私も頑張ろう」と思いました。
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アメリカで大きな反響を呼んだヤングアダルト小説「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ」を原作に、無実の罪で射殺された友人のために立ち上がった女子高生の奮闘を描いた青春ドラマ。物語の主人公は、白人社会と共存していく方法を幼い頃から教え込まれてきた黒人の女子高生スター(アマンドラ・ステンバーグ)。白人ばかりの学校に通い、白人のボーイフレンドと付き合う彼女は、自身が黒人であることを忘れたかのような毎日を送っていた。そんなある日、幼なじみが彼女の目の前で白人警官に射殺される。警察はその警官の行為を正当化し、事件は事実と異なった報道をされていく。衝撃を受けたスターは、亡き親友のため社会の矛盾に立ち向かうことを決意するが……。
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いまは、Netflixの韓国ドラマ「二十五、二十一」を見ています。見始めたばかりなんですが、父親の仕事がうまくいかなくなって、会社も倒産して、裕福な家庭だったのに、貧しい暮らしを送ることになる家族を描いています。お父さんの会社にお金を預けている人や、お金を貸していた人から寄せられる苦情に、息子が対応するんです。その息子が、「何もできなくて、申し訳ありません。その代わりに、絶対に幸せになりません。おじさんたちの苦しみを、心に刻んで生きます」というシーンが、すごく心にグサグサきました。
誰しも、幸せになってはいけない瞬間なんてないし、どんなに失敗したりミスしたり誰かに迷惑をかけても、イコール「幸せになってはいけない」ということではないと思うんです。ただ、そう思ってしまうくらい追いつめられることがあるのも理解できます。その男の子に、主人公の女の子が、「ふたりの時は、誰にも内緒で少しの間幸せになろう」と言うんです。私が「人は人を傷付けるけれど、結局人を救うのも人なんだな」と思ってきたことが、そのままドラマに入っている気がして、人間らしくて、メッセージ性の強い物語でいいなと思いました。
友人が「良かった」と言っていたので、ずっと見たいと思っていたのですが、なかなか見る時間がなくて。ふと、「このタイトルの意味は何だろう」と思ったんです。普通なら「二十一、二十五」のように、数字が少ない方から始まる気がするし、そもそも何の数字だろうと思ったことがきっかけで、見始めました。まだ最後まで見られていないんですが、物語を追うごとに、その意味がちゃんと分かっていくんだろうなと思っています。すごく良いドラマに出合えたなと思いました。
韓国が通貨危機に揺れた1998年を舞台に、夢を奪われた若者たちのジレンマと成長を描くドラマ。ソンジュン女子高校のフェンシング部に所属する18歳のナ・ヒド(キム・テリ)は、大会で優勝したテヤン高校のコ・ユリム選手(ボナ)の大ファン。ユリム選手のライバルになることを夢見るヒドだったが、通貨危機の影響でフェンシング部は廃部に。練習場所を失ったヒドは、「テヤン高校に転校したい」と母親に懇願するが、一蹴される。
一方、大学を休学中の22歳の青年ペク・イジン(ナム・ジュヒョク)は、経済悪化で家が破産し、アルバイトで生計を立てていた。ある日、新聞配達をしていたイジンは、ヒドの家の庭にある小便小僧の像を壊してしまう。その場に居合わせたヒドは日頃のストレスを彼にぶつけるが、その後、“トラブルを起こして強制転校になること”を思いつく。ナイトクラブに潜入していたヒドと鉢合わせたイジンは彼女の計画を知って呆れるも、夢を諦めない姿勢に心を打たれる。
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私は「セッション」という映画が大好きで、DVDも持っているんです。もともと音楽映画が好きなんですが、音の弾け具合や、映画のテイストが何かを始めるときにちょうど良いのか、「セッション」を見て、自分の気持ちを高めて、次の作品に入ることができればいいなと思っています。
主人公が「やる」と決めたことに対して向き合うパワーがすさまじいから、「何もしない自分がバカだな」と思えるじゃないですか(笑)。私たちも、ひとつの映画、ひとつのドラマに入るにあたって、すごい準備をしなければならなくて、大勢の方がそのために時間をかけて努力をするから、私たちにもすさまじいパワーは絶対的に必要なんです。あの映画を見ると、すごく鼓舞されますね。
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後に「ラ・ラ・ランド」を手がけるデイミアン・チャゼル監督による、第87回アカデミー賞で助演男優賞ほか計3部門を受賞したオリジナル作品。世界的ジャズドラマーを目指し、名門音楽学校に入学したニーマン(マイルズ・テラー)は、伝説の教師と言われるフレッチャー(J・K・シモンズ)の指導を受けることに。しかし、常に完璧を求めるフレッチャーは容赦ない罵声を浴びせ、レッスンは次第に狂気に満ちていく。
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シイノはすごく人間味溢れる女性なんですが、普段の自分とは、かけ離れた部分もすごく多かったんです。まずは、「お酒を飲む」「タバコを吸う」という、彼女にとって日常のなかで支えになっているものを、自分の生活にも取り入れようと思いました。タナダユキ監督が「これ、履いて」と、(原作でシイノが履き潰している)マーチンを渡して下さったので、1年前から履き続けていました。私の日常にも、シイノの日常にもその靴があるという共通点が、スタートのときからできていたので、すごく演じやすかったです。
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タナダユキ監督が、平庫ワカ氏の同名人気コミックを映画化。物語は、鬱屈した日々を送る会社員・シイノ(永野)が、テレビのニュースで親友・イカガワマリコ(奈緒)の死を知ることから始まる。学生時代から父(尾美としのり)に虐待を受けていたマリコの魂を救うため、シイノは遺骨を奪うことを決心。「刺し違えたってマリコの遺骨はあたしが連れて行く!」と誓い、マリコの実家から遺骨を強奪したシイノは、そのまま旅に出ることに。マリコの遺骨を抱き、彼女との思い出を胸に、シイノが向かった先は――。
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