【「人質 韓国トップスター誘拐事件」評論】“1億俳優”ファン・ジョンミンを堪能できる新感覚のサスペンス・アクション
2022年9月17日 19:30

韓国映画界をけん引し続ける実力派俳優ファン・ジョンミンが、誘拐事件の“人質”となるトップスターを実名で演じた“リアル”サスペンス・アクション。欧米でリメイクされるほどクオリティの高い作品を生み出し続けている韓国映画が、遂にこのような作品を制作するところまできたのかと驚くとともに、映画ファンを挑発するような見応え充分の作品だ。
「ユア・マイ・サンシャイン」でHIVに感染してしまった妻を愛しぬこうとする純朴な青年を、「ハピネス」では自らも病を患いながら重病の女性とひかれ合う男を繊細に演じたかと思えば、「生き残るための3つの取引」では事実をもみ消すために泥沼にはまっていく刑事、「イカゲーム」のイ・ジョンジェと共演した「新しき世界」では犯罪組織のナンバー2をリアルな凄みと狂気で演じ、圧倒的な存在感をスクリーンで示してきた。そして、家族への愛情と笑顔を絶やさず、時代の荒波を生きた父親を演じた「国際市場で逢いましょう」は、韓国で観客動員数1410万人の大ヒットを記録しているジョンミン。
さらに「ベテラン」では行動派の刑事、「コクソン 哭声」では怪しい祈祷師、「アシュラ」では極悪市長、「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」では工作員といった幅広い役柄を演じ分けている。最近ではイ・ジョンジェと再共演した「ただ悪より救いたまえ」での壮絶な殺し合いも記憶に新しく、出演作ごとに全く違う顔を見せ、強烈なインパクトを残して来た。韓国では主演作の累計観客動員がなんと1億人を超え、“1億俳優”とも呼ばれていると言う。
そんなジョンミンが本作では、“人質”となるトップスターを実名で演じるという斬新な役柄に挑戦。観客は設定を理解していても、実際に起こり得ることだけに、哀れに拘束されて拷問を受けるジョンミンを見ていると、リアルな感覚に陥るかもしれない。だが、次第にジョンミンの演技にしてやられることになるのだが、これは果たして映画なのか? フィクションであるはずの映画の中で、ジョンミン本人の生きたいという意志が伝わってきて、演技であるはずが、脱出策や山の中の追撃シーンは本物の緊迫感、臨場感に溢れている。それでいて、ジョンミンの過去作のセリフや役名が劇中で引用されるという演出もあって韓国映画ファンの心をくすぐる。
また、「イカゲーム」のイ・ユミ、「梨泰院クラス」のリュ・ギョンスといった若手俳優が誘拐犯や人質役でキャスティングされているのも見どころ。さらに、ソウルの中心部で展開されるカーチェイスは、1970年代のアメリカン・ニューシネマ「フレンチ・コネクション」を彷彿とさせる疾走感と迫力だ。改めて韓国映画のクオリティの高さと、その世界のトップスターであるジョンミンを堪能できる、新感覚のサスペンス・アクションとなっている。
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