役所広司×吉沢亮「ファミリア」映像初公開 国籍の違い、血のつながりを超え“家族”を作ろうとする人々の物語
2022年9月5日 07:00
役所広司と吉沢亮が映画初共演を果たす、成島出監督の最新作「ファミリア」の特報とティザービジュアルが披露された。本作は、国籍、育った環境、話す言葉などの違い、血のつながりを超え、強い絆で“家族”を作ろうとする人々を描いたオリジナル作品。映像には、オーディションで選ばれ、本作で演技初経験となった在日ブラジル人キャストが見せる熱演が、鮮烈に切り取られている。
約10年ぶりに成島組に参加する役所は、山里に暮らす不器用な陶器職人・神谷誠治に扮する。吉沢は、一流企業のプラントエンジニアとして海外赴任している誠治の息子・学役。隣町の団地で暮らす在日ブラジル人青年・マルコスと彼の恋人・エリカを、サガエルカスとワケドファジレが演じる。さらに、マルコスら在日ブラジル人を執拗に追いかける半グレのリーダー・榎本海斗役にMIYAVI、誠治が唯一心を許すことができる友人の刑事・駒田隆役に佐藤浩市、地元のヤクザ・青木役に松重豊を配し、中原丈雄、室井滋も顔をそろえた。「八日目の蝉」「ソロモンの偽証」2部作、「いのちの停車場」など、人間ドラマの名手として知られる成島監督がメガホンをとった。
特報は、学と、彼が赴任先のアルジェリアで出会った難民出身のナディアとの結婚を、誠治が祝福する幸せなシーンから始まる。久しぶりに焼き物の粘土を父子一緒にこねるなど、ささやかながら幸せな時間を過ごす家族のもとに、ケガを負ったマルコスが迷い込んできたことで、物語が動き出す。厳しい生活を送り、半グレ集団にも目をつけられ追いつめられたマルコスは、亡き父の面影が重なる誠治に「日本人にもなれない! ブラジル人でもない」とやり場のない憤りをぶつける。さらに、ある理不尽な出来事に慟哭する誠治の姿と、「父さん! 話す言葉も育った環境も違うのにさ、俺たち家族になるんだよ」という学の幸せそうな言葉も切り取られている。
役所と吉沢はキャストについて、「オーディションで出演が決まった演技経験のない若い俳優たちがとてもフレッシュで魅力的です」(役所)、「国際色豊かなキャストの皆さんの、とてもフィクションとは思えない、生々しくもキラキラしたお芝居が本当に素晴らしいです」(吉沢)と絶賛。彼らの熱演と存在感が強烈なインパクトを放つ映像に仕上がった。
ティザービジュアルは、「その願い、絶望より深く、憎しみより強靭」というコピーと、大切な人々とともに生きることを強く願う誠治の表情が印象的。「ファミリア」は、2023年1月6日から、新宿ピカデリーほか全国で公開される。