「LAMB ラム」ヒグチユウコ×大島依提亜のポスター完成! 羊にまつわる著名人からの絶賛コメント続々
2022年8月22日 16:00

「ミッドサマー」「ヘレディタリー 継承」などを手がけた気鋭の映画スタジオ「A24」が北米配給権を獲得し、ノオミ・ラパスが主演・製作総指揮を務める「LAMB ラム」のオルタナティブポスターが完成。画家・絵本作家のヒグチユウコ氏と、本作の日本版ビジュアルのデザインを手がけたグラフィックデザイナーの大島依提亜氏がコラボレーションしている。あわせて、著名人からの絶賛コメントも披露された。
本作は、アイスランドの人里離れた田舎で暮らす羊飼いの夫婦が、羊から産まれた“羊ではない何か”を育てていく禁断のネイチャースリラー。イングヴァル(ヒナミル・スナイル・グブズナソン)とマリア(ラパス)の夫婦はある日、羊の出産に立ち会うと、羊ではない何かが産まれてくる。子どもを亡くしていたふたりは、その存在を“アダ”と名付けて育てることに。奇跡がもたらしたアダとの家族生活は大きな幸せをもたらすが、やがて彼らを破滅へと導いていく。
「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」などの特殊効果を担当したバルディミール・ヨハンソンが長編監督デビューを果たした。アイスランドの作家・詩人として知られ、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の歌劇脚本や、「ライトハウス」のロバート・エガース監督の新作「The Northman(原題)」でも脚本を担うショーンが、ヨハンソン監督と共同で脚本を執筆。衝撃的な設定のなかにリアリティを持った世界観を構築したことで世界から称賛を浴び、第74回カンヌ国際映画祭の「ある視点部門」で「Prize of Originality」を受賞し、第94回アカデミー賞国際長編部門のアイスランド代表作品にも選出されるなど、批評家からも高い評価を受けた。

2枚のオルタナティブポスターは、ヒグチ氏と大島氏、それぞれの感性が光る美しい仕上がりだ。ヒグチ氏が描き下ろしたポスターは、花冠をかぶったアダを中心に、生い茂るツタのなかに羊の角が掲げられているもの。ヒグチ氏ならではの繊細な描き込みで、ツタの葉脈に至るまで美しく表現された絵画を、大島氏がポスターへと落とし込んだ。対して、大島氏がデザインしたポスターは、モノトーンを基調とし、マリアとアイスランドの大地が大胆にレイアウトされている。山々を微かに彩るピンクとグリーンのグラデーションも印象的だ。
ヒグチ氏は「ホラーにジャンル分けするべきなのか?としばし考えたのですが、やはりホラーだ。と結論に至りました」、大島氏は「頭と体、それから心。三つがねじれてソワソワするけど、結局みんなアダちゃんにメロメロ」と、それぞれ感想を語る。さらに、ふたりに加え、多数の著名人からコメントが寄せられた。小説家、ミュージシャン、アニメーション監督らクリエイター陣に加え、羊が登場することにちなみ、羊モチーフのアイドルグループ「#YOYOYO」の由良ゆらや、「RaMuがLAMB観ないでどうすんだ!」と語るタレントのRaMuら、多彩な顔ぶれとなっている。「セノーテ」などで知られる映画作家・小田香は、タル・ベーラ監督が指揮するフィルムファクトリー在学時に、ヨハンソン監督と同級生だったことから、コメント寄稿が実現した。
「LAMB ラム」は、9月23日に全国で公開される。著名人のコメントは、以下の通り。
アイスランドの無垢な大自然と不穏な白夜。飼い犬。飼い猫。3人の登場人物。そして羊。他にも“何か”がいる? 台詞と説明を排除した演出が、我々を白濁した恐怖の“澱”に閉じ込める。最後に明かされる白日夢の“かたち”は、観る者によって解釈は異なる。ただ胎内に入り込んだ“説話”は消化出来ず、何度も繰り返し咀嚼する事になる。観客を反芻動物(LAMB)に変えてしまう映画。
「人並みの幸せを手にしたかった」。いたって自然な欲望を持つ夫婦の生活は徐々に不穏さを纏っていきます。クライマックスで「あっ!」と声が漏れた。この世の摂理を見せつけられた。是非、劇場で確認してほしいです。
奇妙な設定とは対照的に、リアルに描かれる親たちの感情。こんなに型破りな親子の物語は今までに見たことがありません。
反芻せよと羊が僕に訴える。拒みたい。眠れなくて君を数えたのに、繰り返せと君が言うのか。そういう悪夢から目覚めたあとの、疲れのような、解放のような、映画だった。
どんな状況であれ 子を授かることは
天使の贈り物と思ってきた
その存在は 柔らかく愛おしく
なにより手を差し延べるべき存在
誰が見捨てようか 彼らが迷うことなく
受け入れたように きっと私も
恐れながらも同じように受け入れただろう
しかしこれは天使の贈り物ではなかった
天使の物よりもずっとずっと魅惑的な
悪魔の贈り物だった
神話のようでもあり、聖書のようでもあり、おとぎ話のようでもある。物語の原型をそのまま提示されたかのような、不純物の存在しない静謐な映画。不気味で、おぞましく、美しい。
辺境の地で絶えざる哀しみに身を焼く夫婦のもとに訪れたのは「異形のキリスト」だった。彼がふたりに与えるのは福音かそれとも更なる煉獄か――。アイスランドを舞台に展開される諸星大二郎的神話ホラーの秀作!
捻れた狂気に笑うしかない! 近年、アイスランド映画は底意地の悪い傑作を世界に発信し続けてきたが本作はその決定打だ。一見シンプルなストーリーに深淵を覗いたとき、見世物小屋が「人間の罪」という絶望を放つ。
大自然の中で育つアイスランドのラムはクセがないらしい。だが、この映画はクセになる。恐ろしいのは異形のものより、人間の傲慢さ。人が侵してはならない領域を突きつけられた気がした。
とにかくアダが愛おしく、幸せを願わずにはいられなくなる。家族の物語であり、喪失を埋めようとする生き物の強欲さ、奪い合いの暴力を描いた物語でもある。斬新だが普遍的な作品だ。
非現実的で不思議なことがとても現実的に描かれていて、途中までの幸せそうなお話と最後のギャップがびっくりして恐怖を感じました。でもアダがかわいくて、羊がモチーフの私たちだからちょっと似ているかなと思ったり……次はメンバーと見てみたくなりました!
RaMuがLAMB観ないでどうすんだ! 白夜と不気味な生命体。ほとんどセリフの無い不穏な空気。人がジワジワ不快に思う要素盛りだくさん! 見終わった後、考えれば考えるほど自分の中で作品の捉え方が変わってくる感覚がかなり心地いい。ノオミ・ラパスはこの手の映画が似合うなぁ。
サラエボで共に3年間学んでいた間、ヴァルディは辛抱強くひとつの映画に取り組んでいた。あの頃から10年、その作品がついに完成し日本にやってきた。劇中、ヴァルディの故郷であるアイスランドの広大な自然に意思さえ感じる。それは人知を超え、アダ(子羊?)をもたらし、人間たちを翻弄する。
(C)2021 GO TO SHEEP, BLACK SPARK FILM &TV, MADANTS, FILM I VAST, CHIMNEY, RABBIT HOLE ALICJA GRAWON-JAKSIK, HELGI JOHANNSSON
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