長澤まさみ、4年半ぶり連ドラ主演「エルピス」でアナウンサー役 共演は眞栄田郷敦、鈴木亮平
2022年7月26日 06:00
長澤まさみが、10月期のカンテレ・フジテレビ系“月10ドラマ”「エルピス―希望、あるいは災い―」で主演を務めることがわかった。長澤にとって「コンフィデンスマンJP」(2018年/フジテレビ)以来、4年半ぶりの連続ドラマ主演作となる。
今ドラマは、実在の複数の事件から着想を得て制作された社会派エンターテインメント作品。スキャンダルによってエースの座から転落したアナウンサー・浅川恵那(長澤)と彼女に共鳴した仲間たちが、犯人とされた男の死刑が確定し、10代の女性が連続して殺害された事件の冤罪疑惑を追うなかで、一度は失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描く。恵那と共に行動するうだつのあがらない若手ディレクター・岸本拓朗役として眞栄田郷敦、恵那と拓朗の先輩で報道局のエース記者・斎藤正一役として鈴木亮平が出演する。
長澤演じる主人公の恵那は、大洋テレビのアナウンサー。入社当初は、抜群の容姿と好感度の高さから「10年に一人の逸材」と持てはやされ、本人の報道志向もあり、ゴールデンタイムのニュース番組のサブキャスターを務める。しかし、複数番組を担当する激務のなかで次第に疲弊していき、徐々に人気に陰りが見え始めたところで、週刊誌に路上キス写真を撮影され、ニュース番組を降板。現在は、社内や視聴者から「落ちぶれた」と後ろ指をさされながら、“制作者の墓場”と揶揄される深夜の情報番組「フライデーボンボン」のコーナーMCを担当しているという設定だ。
物語では、番組で見せる華やかなアナウンサーの表情とは異なる、恵那が抱えた葛藤・苦悩が随所で描かれていく。アナウンサーとして前途洋々だった彼女が“自分の価値”を失い、変ぼうを遂げてしまった理由とは? そして、拓朗から持ち掛けられたある連続殺人事件の真相を追う中で、彼女が再び見出す“自分の価値”とは? 陰と陽、強さも弱さも持ったさまざまな恵那を長澤が巧みに演じる。
眞栄田が演じる拓朗は、恵那と共に行動する「フライデーボンボン」で芸能ニュースを担当する新米ディレクター。弁護士夫婦の息子として裕福な生活を送り、エスカレーター式に名門私立大学へ進学。なんとなく始めた就活で大洋テレビに採用され、制作部に配属される。家庭環境とルックスも相まって自己評価が高く、能天気でマイペースな性格だが、ディレクターとしての実力・評価は低く、現場では怒られてばかり。一見何不自由ない人生を送っているように見える拓朗だが、実は彼もまた“自分の価値”を失った過去の出来事を記憶の底に抱えている人間だ。
物語は、ひょんなことから拓朗が連続殺人事件の犯人とされる死刑囚の冤罪疑惑を知り、恵那に持ち掛けるところから始まる。恵那とは対照的に世間知らずで空気が読めない拓朗の行動は、時に恵那を感化することも。そんな恵那と拓朗のコンビが巨大な組織に対して、時に傷つき、時に足並みが乱れながらも、真相に向かっていく。
そして、鈴木が演じるのは、大洋テレビ報道局のエース記者・斎藤正一。拓朗の新入社員時代に指導担当だった縁で、恵那と拓朗が追う連続殺人事件の冤罪疑惑について相談に乗る。面倒見がいい先輩として、そして政権中枢の要人とも懇意な間柄の官邸キャップとして、斎藤の存在はふたりにとって大きな味方となる。
脚本は、連続テレビ小説「カーネーション」や映画「ジョゼと虎と魚たち」をはじめ、数々の名作ドラマ・映画を世に送り出し、今作で初めて民放連続ドラマの執筆となる渡辺あや。演出は、長澤も出演した映画「モテキ」や映画「バクマン。」など数多くのヒット作の監督を務めてきた大根仁。さらに、劇中音楽を作曲するのは、連続テレビ小説「あまちゃん」、大河ドラマ「いだてん」、映画「花束みたいな恋をした」などを手掛けた大友良英。
実在する事件に着想を得た“冤罪”という重厚な題材を扱いながらも、リアリティーに富んだコミカルな会話劇や、スリリングな展開と演出で、見る者の感情を大きく揺さぶる新しい社会派エンターテインメントが展開される予定だ。カンテレ・フジテレビ系全国ネットで2022年10月期、毎週月曜午後10時放送。※初回放送日未定。
Q.企画や脚本を読んで感じたことをお聞かせください。
世の中にある正義って、具体的に何を指しているのか戸惑うことがあります。自分の正義を貫くことも容易ではないし、人それぞれひたむきに今と戦っているんだなって思います。目の前に起こることに夢中になって、明日を生きる。そんな風に人生を歩めたらいいなと思いました。渡辺あやさんの物語と時間の流れに、身を委ねて楽しんでもらいたいです。
自分の中にある、“恵那み”を絞り出して演じたいです。共感することの多い役でした。落ち着いて、起こる出来事に反応していきたいです。
スピード感のある作品になるのではないかと思います。登場人物それぞれの息づかいを感じて、自分を重ね合わせて見てもらいたい作品です。最後まで何が起こるか、見届けてください。
Q.企画や脚本を読んで感じたことをお聞かせください。
台本を読んで一番最初に感じたことはキャラクターがみんな人間臭いということ。なんでかなって考えてみると、リアルな人間がみんなもつ弱さや多面性がそれぞれのキャラクターに描かれているからなのかなと感じました。何が表で何が裏なのか、何が正義で何が悪なのか、そういった人間や物事の本質についてすごく考えさせられる台本でした。
家庭環境や経歴、ルックスなど、一見何不自由ない人生を送っているように見える拓朗ですが、実は大きなトラウマを抱えている人物です。揺らぐことも多く、どんどん心情が変化していく様、人間臭さを表現できればと思ってます。普段はその役のベストを探ることが多いですが、今回拓朗を演じるにあたってはやりすぎと言われるぐらい一度やってみたいと思ってます。題材、役所、共演者の方々を含めてとにかく思いっきりぶつかっていきたいです。
世の中や人間のリアルが描かれてる作品だと思います。少なくとも僕はこんな作品見たことないです。みなさんもご期待ください。
Q.企画や脚本を読んで感じたことをお聞かせください。
これほどのオリジナル脚本にはそうそう出会えるものではありません。初めて読ませていただいた時、その寸分の隙もない、磨き上げられた完成度とエンタメ性に驚きました。冤罪事件を通して主人公たちの内面を、その先に正義や政治の本質までをも描ききった脚本家の渡辺あやさんや佐野プロデューサーたちの気概に心から敬服しました。
忠義と野心、正義と卑怯、愛情と冷酷、相反するものが同居する人物として、個人的に非常に共感できる人物でした。長澤さん、眞栄田くんと息を合わせ、丁寧に、多面的に、人間味のある人物として演じていけたらと思います。
今から素晴らしい作品になる予感をひしひしと感じております。この社会の一員として生きることは何かと戦い続けることでもあります。毎日戦っている視聴者の皆様にも、主人公恵那と拓朗の奮闘の中に、一筋の「希望」を見出していただければ嬉しいです。
「エルピス」というのはギリシャ神話にでてくる「パンドラの箱」の中に最後に残るものの名前で、それを希望とするか厄災とするかで物語の解釈が変わるそうです。10話分の脚本を書きながら私自身も、どれが希望でどれが厄災なのかがわからなくなる瞬間が多々ありました。社会と世界(universe)の関係、人間という奥深い謎と秘密が、視聴者の皆さんの中にも立体化され、登場人物たちと一緒に迷い楽しんでいただけたら作家としても、この同じ社会を生きる一員としても嬉しいです。
初めての渡辺あや脚本!ずっと撮ってみたかった鈴木亮平!若手ナンバー1俳優(個人調べ)眞栄田郷敦!そしてそして「モテキ」以来11年ぶりの長澤まさみ!!既に撮影は始まっていますが、素晴らしい脚本と、俳優たちのプロフェッショナルな仕事っぷりに、毎日心の震えが収まりません。面白いのは当たり前ですが、とにかくヤバいドラマになりそうです。はい、ヤバいです!
渡辺あやさんとこの企画に着手したのは2016年秋のことでした。それからさまざまな紆余曲折があり、その険しかった道のりさえも物語に取り込まれ、こうして素晴らしい出演者の皆さんに参加していただき実現できることが、まだ夢のように感じられます。「実在の事件に着想を得てドラマを制作すること」の重さときちんと向き合いながら、エンターテインメントだからできることを一生懸命考えて、誠実に制作していきたいと思います。
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。