「長谷川和彦 革命的映画術」7月9日から開催 「青春の殺人者」など監督、脚本、出演作7本を上映
2022年6月11日 15:00
7月9日から東京・渋谷ユーロスペースで、「長谷川和彦 革命的映画術」が開催される。監督作品2本、脚本作品4本、出演作品1本を上映する。
時代、社会、組織に反逆し続ける若者たちの闘いを、タブーなき鮮烈なストーリーで描き出し、1970年代後半、映画界に革命を巻き起こした長谷川監督のキャリアは、名もなき男が江戸の街をひっくり返す艶笑時代劇日活ロマンポルノ「性盗ねずみ小僧」の脚本(72)からスタート。その後、警察官たちが強盗団に化けて暴走する衝撃作「濡れた荒野を走れ」(73)、哀しみの名作「青春の蹉跌」(74)、アメリカンニューシネマ風の大正アナーキー版歌謡モノローグ集ともいうべき「宵待草」(74)と、脚本家としての技量と才能を磨きながら、今村昌平監督「神々の深き欲望」(68)での助監督などを経て、76年に30歳で、青年が発作的に両親を殺害し海に捨てるという実際の事件をベースにした中上健次の小説「蛇淫」を映画化した「青春の殺人者」で監督デビューした。
続く監督第2作は、中学校の教師が原子力発電所に侵入しプルトニウムを強奪、自分のアパートで原爆を製造し、警察や政府に戦いを挑む「太陽を盗んだ男」(79)。皇居や国会でのゲリラ撮影、幻のローリングストーンズ公演などを映した2時間27分。1作目とは変わってエンタテインメントを極め、広島で生まれ、胎内被爆した監督自身の体験も色濃く投影している。
更には、長谷川が91年に出演した鈴木清順監督「夢二」も上映される。反逆の映画監督として知られる長谷川の「革命的映画術」をスクリーンで確認できる貴重な機会となる。
▼「長谷川和彦 革命的映画術」上映作品