「死刑にいたる病」で怪演披露の宮崎優に聞く 映画は「わたしを成長させてくれる存在」
2022年5月27日 12:00

「凶悪」「孤狼の血」シリーズの白石和彌監督の最新作「死刑にいたる病」が、興行収入5億円を突破するスマッシュヒットを飾っている。映画ファンを唸らせている今作にあって、主演の阿部サダヲと岡田健史とともに話題を呼んでいるのが、宮崎優((※崎はたつさき)の怪演だ。
櫛木理宇氏の同名小説を映画化した今作は、鬱屈した日々を送る大学生・雅也のもとに、世間を震撼させた連続殺人事件の犯人・榛村から1通の手紙が届くところから物語は動き始める。24件の殺人容疑で逮捕され死刑判決を受けた榛村は犯行当時、雅也の地元でパン屋を営み、中学生だった雅也もよく店を訪れていた。榛村は自身の罪を認めているものの、最後の事件は冤罪だと訴え、犯人が他にいることを証明してほしいと雅也に依頼。独自に事件を調べ始めた雅也は、想像を超えるほどに残酷な真相にたどり着く……。

宮崎は今作で、雅也の同級生・灯里に扮している。登場当初は観る者に目立った印象を与えないが、シーンを重ねるごとに沈殿していた内面が浮上してくるさまを丁寧に演じており、一気に注目の若手という立ち位置に躍り出た。「任侠学園」「うみべの女の子」に続き、映画出演3本目となった宮崎にとって白石組はどのような現場だったのか話を聞いた。
「題名も『死刑にいたる病』というぐらいなので、現場でもピリッとする瞬間が多いのかなと勝手に身構えていたのですが、本当に優しく温かい組でした。クランクインの時も緊張している私に白石監督が話しかけてくださって、監督が笑顔で『撮影楽しいね』とおっしゃっているのを見て、不安な気持ちから救われました。撮影後も“楽しい”という気持ちを忘れずにいる事で、より作品と向き合えるようになりました。本当に感謝しています」


年齢の近い岡田と対峙する芝居場でも、多くの学びを得たようで「岡田さんは本当にストイックな方で、尊敬する瞬間は多々ありました。雨のシーンの時に歯がガチガチ震えるぐらい寒かったのですが、カットがかかっても一切震える事なく“ピシッ”とされていて、その集中力にすごく驚きました!」と明かす。
封切り後、多くの人から寄せられる反応についても、「観客の方々の意見を聞いてもちろん反省もありましたが、私にはない考え方がたくさんあって興味深いという気持ちの方が強かったです」と真摯に受け止めている。さらに、「自分の引き出しがどんどん増えていく感覚がすごく楽しいです! そして、私の表現が伝わっていたんだと感じて、あの時の自分の選択に確信が持てて嬉しかったです」と手応えもにじませている。

映画やドラマに出演するようになって約3年が経過。今作に出演したことで、これまでとは異なる意欲も芽生えてきているのではないだろうか。それでも、「自分を忘れずに楽しく歩めればと思います」と謙虚な姿勢は崩さない。最後に聞いてみた。表現者として、宮崎にとって映画とは何なのかと。
「わたしを成長させてくれる存在」。
(C)2022映画「死刑にいたる病」製作委員会
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