銀座シネパトス復活映画祭、開催決定! 池袋HUMAXシネマズで5月20日から
2022年5月1日 19:00

2013年3月31日に閉館した映画館「銀座シネパトス」の名を冠した、「銀座シネパトス復活映画祭」Vol.1が5月20日~6月2日、東京・池袋HUMAXシネマズで開催されることが明らかになった。
銀座シネパトスは、1967年に銀座・三原橋地下街に「銀座地球座」、翌68年には「銀座名画座」として開館。88年に「銀座シネパトス1・2・3」と名称を変え、3000本以上の作品を上映するなど銀座唯一の名画座として親しまれた。三原橋地下街の耐震性の問題で取り壊しが決まったが、映画評論家の樋口尚文氏が私費を投じて同館でのオールロケ、秋吉久美子と染谷将太主演による「インターミッション」を最終上映作品として製作し、好評を博した。

最終営業日となった13年3月31日には、閉館を惜しむ映画ファン約2000人が同館を訪れた。13年間にわたり同館支配人を務めた鈴木伸英氏は、マイクを持って行列を整理するなど陣頭指揮をとり、最後の挨拶では感極まって号泣したことは記憶に新しい。
閉館から9年が経った22年、シネパトスの精神が「銀座シネパトス復活映画祭」としてよみがえる。シネコン全盛のなか、「ここでしか上映しない」「喜怒哀楽を刺激する」作品を、映画ファンに定期的に届けていくという。Vol.1として、同館をイメージしやすい4作品をチョイス。日本最終上映のねずみ大作と称し、「ウイラード」(71)と「ベン」(72)をピックアップしたほか、パトスの立地を彷彿させる傑作として「パラサイト 半地下の家族」を上映する。さらに、タイトルを聞けば同館を思い出すシークレット作品を調整中だという。
同館最後の支配人・鈴木氏による最頻紹介メッセージは、以下の通り。
「銀座シネパトス復活映画祭」が贈る「ウイラード」「ベン」は、70年代パニック映画の先駆的作品。地下鉄サウンドとネズちゃんとの友情と闘いの日々を過ごした銀座シネパトスならば、リアル4DXとなるはずだった動物サスペンス。学生の頃、「ベン」を金曜ロードショーで初めて観た時の感動は、ラストに流れる主題歌とともに今でも忘れられません。その美しい曲を手がけたのは、マイケル・ジャクソン。ソロ初の全米第1位、アカデミー賞ノミネート、ゴールデングローブ賞を受賞した名曲です。後悔50周年、日本最後の上映となる2作。地下に眠る劇場への鎮魂歌として、満を持してお贈りする渾身の連続上映です!
「パラサイト 半地下の家族」は、ご存じ、ポン・ジュノ監督が、カンヌ国際映画祭パルムドール、アカデミー賞作品賞、監督賞ほか全4部門受賞した大ヒット作品。私が共感、涙したのは「パラサイト」のラスト近く、大雨で下水があふれた家で一家が右往左往するシーン。シネパトスは東京都の一等地に居候していながらも、雨の日は決まって雨漏り対策に奔走していました。シネパトスで上映していたら「銀座シネパラサイト 半地下の家族」と題していたでしょう。
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