ウイラード

劇場公開日:

ウイラード

解説

小動物の突然の集団異変による恐怖を描いた作品。この作品にはネズミの大群が現われ、次々と殺人を犯していくというスリラーとなっている。製作総指揮はチャールズ・A・プラット、監督は「愛は心に深く」のダニエル・マン、スティーブン・ギルバートの小説「ネズミ男の手帖」をギルバート・A・ラルストンが脚色、撮影はロバート・ハウザー、音楽はアレックス・ノースがそれぞれ担当。出演は「いちご白書」のブルース・デイヴィソン、「ワイルドバンチ」のアーネスト・ボーグナイン、「愛すれど心さびしく」のソンドラ・ロック、「ナタリーの朝」のエルザ・ランチェスターなど。

1971年製作/95分/アメリカ
原題:Willard
配給:松竹映配
劇場公開日:1971年12月18日

ストーリー

気はいいが、自閉症ぎみの青年ウイラード(ブルース・デイヴィソン)は、ひとつ屋根の下で暮らしている老母ヘンリエッタ(エルザ・ランチェスター)と、会社の上司アル(アーネスト・ボーグナイン)を特に嫌っていた。というのも、アルは数年前、ウイラードの父の事業を乗っ取った卑劣漢で、老母は、裏庭に出てくるネズミを退治しろとうるさいからだ。ウイラードにとってジョーン(ソンドラ・ロック)だけが彼の理解者であり、優しく愛してさえくれた。ある日、ネズミ退治をはじめたウイラードは、ネズミという動物は調教すれば自分の意志通りに動くことを発見した。ウイラードは1匹の子ネズミに“ソクラテス”という名をつけ、可愛がると、ソクラテスはすっかり彼の命令に従うようになり、ほかのネズミたちもそれに従って行動した。ただ、イタズラ・ネズミの“ベン”だけは、時々ヘソを曲げた。ウイラードはネズミたちを使って悪戯を始めだした。まずアルが開いた夕食パーティにネズミを送り込み、会場を大混乱させた。しかし、彼の悪戯は発覚し、ソクラテスはアルに殺されてしまった。その夜、怒ったウイラードはネズミたちを引き連れ会社に出かけた。そしてアルの顔を見るなり、命令一下、一斉に襲ったネズミたちによって、アルは無残に食い殺されてしまった。ウイラードはその悪魔のような惨劇を見て戦慄した。あまりにひどい手口に、ウイラードはネズミたちを会社の一室に閉じ込めて帰ってしまった。ジョーンと夕食をしたあと、ウイラードはベンの怒り狂った眼が注がれているのに気づいた。ウイラードはベンと対決する決意をした。しかし殺しにかかったウイラードに、もの凄い憎悪をもやしたベンが鋭い鳴き声をあげると、地下室から無数のネズミがかけ上がってきた。

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WILLARD (C) 1971 Bing Crosby Productions, Inc. All Rights Reserved.

映画レビュー

2.5ネズミの可愛さと気持ち悪さが堪能できる!

2024年7月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

そんなもん堪能したいかは別として、それを堪能できる映画です。

ホラー映画には観客を恐怖のどん底へ突き落す怪物ないしお化けがつきものですが、本作でその役を担うのはネズミです。本当にただのネズミです。
一部のシーンでぬいぐるみを使っているかもしれませんが、この映画に登場するネズミはほぼ全てのシーンで本物の生きたネズミです。

一、二匹がじゃれあっている程度ならまだいいのですが、それが数十匹、百数匹とネズミ算式に増えていくと、言い知れぬ不気味さが沸き上がります。(割とデカいし)

顔だけ映っている分には可愛いんです。つぶらな瞳で鼻をヒクつかせていて・・・。ところが真っ黄色の歯が覗いたり、ちょっと引いて全身が映ると、毛のない、指が長い足とミミズの様なシッポが気持ち悪いのです。しかもそれが暗闇の中で群れで蠢いていたり、カーテンや壁を這いずりまわっていたり、人の体にまとわりついたりしている様は強烈です。生理的にキツい!

また主人公もなかなか生々しいです。
主人公:ウイラードは手の爪を噛むシーンが印象的な、内向的でコミュニケーション能力が低く、ストレスを内に溜め込むタイプです。

ウイラードの勤め先も住む家も彼の亡父が残したものです。しかしそれらの現状はウイラードにとって居心地のいい場所ではありません。

ただ当のウイラードにはそんな現状を変えたり、抜け出したりするための力が不足していますし、足りない力を補おうと努力する情熱もありません。なんとなく不満を募らせながらも、どこかで現状を受け入れて淡々と日々をやり過ごし、居心地のよくない場所に居座り続けています。
そしてそんな彼が夢中で情熱を注ぐのは地下室で増え続けるネズミたちを飼い慣らすことだけなのです。

身に覚えのある事なので言い難いのですが、ウイラードからはどこか自身の人生から目を背けた生き方をしている印象を受けるのです。そうしてなんとなく先延ばしにしていた事のツケがあるとき一気にやってきて、ニッチもサッチもいかなくなり非道な手段に打って出るという…。
得てしてそういう人間は身勝手なものですが、彼の最後の台詞にそれがよく表れています。またその一方でとても悲しく響く台詞でもあるのです。

と、正直そこまで凄い作品か?というと判断難しいのですが、個人的に妙な生々しさが刺さる映画でした。

※最後に一つ本編の結末とは関係ないネタバレをしますと、ウイラードの家の階段には昇降機が付いています!もうホラー映画で昇降機が出てくれば暴走しない訳がない!…のですが、この映画ではなんと昇降機は暴走しません。そこは暴走させようよ!!

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モアイ

3.0結局、人間の見栄やエゴが全てをぶち壊す

2022年5月28日
Androidアプリから投稿

といくら最もらしい事を言っても、
ソンドラ・ロックしか見ていなかった。

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ムーラン

3.5なるほど

2021年10月6日
iPhoneアプリから投稿

深いのかもしれない。
結局はウィラードも上司とおなじだったということかな。

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myu

5.0暗い作品

2020年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
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キウイジャム